「苦情」と「不平」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「苦情」と「不平」の違い生活・教育

この記事では、「苦情」「不平」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「苦情」と「不平」の違い

「苦情」とは、他から受けた害や不利益などに対して、満足できなこと、またそれを表した言葉です。

「不平」とは、納得できず満足できないことです。

どちらの言葉にも満足できないことという意味が含まれており、この点では意味が似ているのですが、まったく同じ意味なのではありません。

「苦情」の場合は、他から害や不利益などを受けています。

たとえば、購入した製品に不具合があった、周囲から迷惑を受けたなどです。

そういった害や不利益に対して満足できないことを意味しています。

「不平」の場合は、害や不利益を受けてという意味は含まれておらず、要求が満たされず不快だといった意味を持つ言葉です。

たとえば、もっと楽しい仕事をしたいと考えていても、実際にはやりたいことでない、楽しくない仕事をしていたとします。

成果を出したときに会社で評価されたくても、評価してもらうことができません。

このことに対して不満に思っているので「不平」ということができます。

要求が満たされていない状態といえますが、害を受けているわけではありません。


「苦情」と「不平」の使い方の違い

他から害や不利益を受けて不満なことや、それを表した言葉について「苦情」を使用します。

悪い影響、得にならないことなどがない場合には、使用しないことが一般的です。

要求が満たされず不満なことについて「不平」を使用します。

害や不利益を受けてという意味はなく、悪い影響、得にならないことなどがない場合でも使える言葉です。


「苦情」と「不平」の英語表記の違い

「苦情」は英語で“complaint”“grievance”と表現をします。

「不平」は英語で“discontent”“dissatisfaction”と表現をします。

「苦情」の意味

「苦情」とは、他から害や不利益を受けたことに対し、満足できないこと、またそれを表した言葉です。

マンションの2階に、夫婦と子ども1人が住んでいたとします。

この家庭では、家の中を子どもが走り回っていました。

マンションの場合、家の中を走り回ると階下の家に音が響き、大変うるさいです。

1階に住んでいる住民は騒音という害を受けているといえます。

そのことに対して1階の住民は不満に思っていました。

そして、2階の住民にうるさいということを伝えました。

こういったことが「苦情」です。

「害」とは、悪い結果や影響を及ぼす物事のことをいいます。

商品を購入して不具合があった、サイトの問題で予約を取れなかった、コールセンターへ電話がつながりにくかった、悪臭がするなどは、害といえます。

そういった他から受けた害への不満、また不満を表した言葉が「苦情」です。

「苦情」の使い方

悪い結果や影響を及ぼすこと、特にならないことなどを他から受けたことに対する不満、それを表した不満の言葉について使用をします。

害や不利益などを受けた場合に使用をする言葉です。

同じ状況でも、害だと感じる人もいれば、害だと感じない人もいます。

たとえば、マンションの上の階の住民がドタドタとうるさくて害だと感じる人もいれば、音を気にせず害だと感じない人もいます。

そのため、同じ状況でも「苦情」を言う人もいれば、言わない人もいます。

「苦情」を使った例文

・『受け付けに苦情が殺到した』
・『ゴミ屋敷に対する苦情』
・『住民からの苦情が相次いだ』
・『お客様センターによせられた苦情に丁寧に対応する』
・『苦情を処理するのも大変だ』

「苦情」の類語

「文句」「クレーム」が類語です。

「文句」は相手に対する苦情のことで、言いがかり的なものをいいます。

「クレーム」とは、商取引で契約に背くことがあったとき、賠償補償請求を行うことです。

「苦情」の対義語

「満足」が対義語です。

心が満ち足りていることという意味があります。

「不平」の意味

「不平」とは、納得できず満足できないことです。

要求が満たされず不快であるという意味を含んでいます。

兄弟がいると「不平」だと感じることがあるのではないでしょうか。

たとえば、兄と弟がいたとします。

兄からすると、母親はいつも兄よりも弟の方をかわいがっているように感じています。

自分もかわいがって欲しいのに、かわいがってもらっているのは弟ばかりです。

母親にかわいがって欲しいという相手に求めていることが満たされていません。

このことについて兄は納得できず、心が満たされない状態でいます。

母の弟に対する態度に納得できておらず、不快にも感じており、「不平」ということができます。

今の仕事に対して納得できないところ、満足できないことがあったとします。

毎日満員電車に乗って出勤する、成果を出しても評価されない、残業ばかりなどが納得できないことです。

これに対して不愉快に感じていたとします。

こういった状態も「不平」です。

「不平」の使い方

納得できず、満足できないことについて使用をします。

要求が満たされず不快で、そのことが行動や言葉から外から分かる状態について使われることが多くあります。

自分よりも弟の方が母親にかわいがってもらっていて、そのことに対して「弟ばっかりずるい」といった言葉を出したとします。

満足できす嫌な思いをして出た言葉であり、こういったものを指して「不平」を使用します。

「不平」を使った例文

・『不平を言いたいが我慢する』
・『彼は不平が多い人だ』
・『不平を吐き出してすっきりした』
・『不平を聞かされてうんざりする』
・『長々と不平を言っている』

「不平」の類語

「不満」「不服」「不満足」が類語です。

「不満」とは、心が満たされていないことです。

物足りないという意味が含まれています。

「不服」とは、納得できず満足できないこと、命令に従い難いことです。

「不満足」は、満足でないことです。

「不平」の対義語

十分であるという意味の言葉が対義語で、それは「満足」になります。

まとめ

満たされないことを意味する2つの言葉ですが、なぜ満たされていないのかとう点で意味が異なります。