この記事では、「野ぶどう」と「山ぶどう」の違いについて紹介します。
野ぶどうとは?
野ぶどうは、ブドウ科ノブドウ属に属するつる性の落葉低木のことをいいます。
全国各地に幅広く分布しており、野原や山に生えています。
漢字では「野葡萄」と書き、秋にはぶどうのような青紫色や紫色、白色の綺麗な実をつけます。
本来の実の色は白色ですが、虫が寄生することで紫色や青紫色に変色します。
野ぶどうは、ブドウタマバエといった虫が寄生すること色が変わる寄生果です。
ただし、実は食用ではなく、酸っぱくて美味しくはありません。
野原で見られるぶどうなので、野ぶどうと呼ばれるようになりました。
また、野ぶどうの実はそのまま食べることはありませんが、北関東や東北地方では民間薬として用いられていたといいます。
肝臓の働きを良くする効果があるといわれていますが、その効能についてははっきりとは分かっていません。
お酒につけて野ぶどう酒にしたり、葉を乾燥させてお茶にすることもあります。
それから野ぶどうは、観賞用の園芸植物としても栽培されています。
山ぶどうとは?
山ぶどうはつる性の落葉低木で、日本各地に分布しています。
紫色や赤紫色の実をつけます。
山ぶどうは昔、エビカズラと呼ばれていました。
山ぶどうの赤紫色を「葡萄色(えびいろ)」と言ったことに由来します。
山ぶどうの実は甘酸っぱく、そのままでも食べられます。
ただし、酸味と渋みが強いので、シロップ漬けにしたり、ジャムなどに加工して食べることが多いです。
ドライフルーツにしてお菓子などにも用いられています。
それから山ぶどうのジュースやワインなどもあります。
日本では最近ワインの原料として注目されるようになっており、品種改良の動きもあります。
地域の特産品としてワインを製造するワイナリーも増えてきています。
山ぶどうは栄養価が高く、ポリフェノールが豊富に含まれています。
一般的な葡萄の8倍にもなるといわれます。
ポリフェノールは抗酸化作用を持つ栄養素で、アンチエイジング効果があるといわれています。
その他にも鉄分やビタミンC、リンゴ酸なども含まれており、健康に良い食べ物として注目されます。
野ぶどうと山ぶどうの違い
野ぶどうと山ぶどうの大きな違いは、実を食用とするかどうかにあります。
食用にしているのは山ぶどうで、そのままでも食べられますしジャムやワインなどにも加工されています。
野ぶどうの実はぶどうのような見た目をしていますが、食べても全く美味しくありません。
ただし、漢方薬などには用いられてきました。
野ぶどう酒や野ぶどう茶などもあります。
それから野ぶどうは、食用ではなく観賞用の園芸植物として栽培されることもあります。
まとめ
野ぶどうの実は美味しくないので食べられませんが、山ぶどうは美味しいので食べられます。
山ぶどうの実は、ジャムやジュース、ワイン、ドライフルーツなど加工されることも多いです。