「急襲」と「奇襲」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「急襲」と「奇襲」の違い生活・教育

この記事では、「急襲」「奇襲」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「急襲」と「奇襲」の違い

「急襲(きゅうしゅう)」「奇襲(きしゅう)」は両方とも、「敵が油断しているところを襲って攻撃する・不意打ちを仕掛ける」という類似の意味を持っています。

ただし「急襲」という言葉は、「スピード感のある攻撃を急に仕掛けること」に意味の中心があります。

「急襲」と比較すると「奇襲」のほうは、「勢い・スピード感のある不意打ちの攻撃」というよりも、「相手の隙をついたり思い込みを利用したりして、サプライズ的要素のある思いがけない攻撃を仕掛けること」に意味の重点が置かれている点に違いがあるのです。

「急襲」「スピード感をもって急に襲うこと」を意味するのに対して、「奇襲」「敵の想定外となる時間・場所・手段によって襲うこと」を意味している違いを指摘できます。


「急襲」と「奇襲」の使い方の違い

「急襲」「敵が油断している時を狙って、スピーディー(急)に襲いかかること」の意味で使いますが、「奇襲」「敵がまったく予想もしていないような時間帯や方法を採用して襲いかかること」の意味合いで使うところが違っています。

敵がものすごいスピード・勢いで突然現れて攻撃してきた際には、「敵の急襲を受けました」という「急襲」を使った文章で表現するのが適切になります。

一方、敵が思いがけないところから現れたり今までにないような驚く戦法で攻撃してきた際には、「敵の奇襲を受けました」「奇襲」を用いたほうがより適切な使い方になる違いがあります。


「急襲」と「奇襲」の英語表記の違い

「急襲」を、英語を使用して表現すると以下になります。

“sudden attack”……相手が構えずに油断している時を狙って、急に攻撃して襲うこと。

急襲。

“raid”……相手が防御していない隙をついて不意に攻撃すること。

急襲。

「奇襲」を、英語を使って表記すると以下になります。

“surprise attack”“surprise”……サプライズ的な思いがけない方法・場所・時間帯を採用して攻撃を仕掛けること。

奇襲。

「急襲」の意味

「急襲(きゅうしゅう)」の言葉は、「敵に対して、急に(突然)素早い速さで襲いかかること」を意味しています。

「急襲」というのは、「相手に防御するための十分な時間を与えず、スピード感のある攻撃(勢いに勝る攻撃)を急に仕掛ける」といった意味のニュアンスを持っている表現なのです。

「急襲」の使い方

「急襲」は、「敵がまだこちらが攻撃してくるとは思っていない早い段階(時間帯)で、スピーディーに動いて急に攻撃を仕掛けること」を意味して使われます。

例えば、「急襲に対する備えができていなかったため、自軍の半分以上が壊滅してしまいました」などの文章で使用することができます。

「急襲」の表現は、「相手がまだ十分な守りの備えができていない段階で、相手の隙を突くかたちで素早く襲いかかること」といった意味合いで使う使い方になります。

「急襲」を使った例文

・『夜が明けていない深夜のうちに、敵軍が真っ暗な山道を通って急襲を仕掛けてきました。』

・『大軍を小部隊で打ち破ることは不可能ですが、せめて急襲を行って敵の戦力を少しでも削りましょう。』

・『危険な急襲作戦に選ばれたのは、この軍隊の中でも精鋭とされる約20名の兵士たちでした。』

・『急襲を仕掛ける絶好のタイミングを逃せば、この戦争に勝利できる可能性はなくなってしまうでしょう。』

・『迅速な急襲を成功させるために、兵士たちは日頃から走り込みを行って持久力を高めていました。』

「急襲」の類語

「急襲」の類語には、以下の言葉があります。

・『突進(とっしん)』……敵を目掛けて迷いなくどんどん突き進むかたちで攻撃すること。

・『強襲(きょうしゅう)』……敵の拠点・要塞などを、戦力の大きさに頼って力業(ちからわざ)で制圧するために襲撃すること。

「急襲」の対義語

「急襲」の対義語には、以下の言葉があります。

・『防衛(ぼうえい)』……敵の急襲・強襲などの攻撃を防いで、自分たちの陣地・領土などを守ること。

「奇襲」の意味

「奇襲(きしゅう)」という言葉は、「敵方(てきがた)が思ってもいない方法や作戦で襲いかかること」を意味しています。

「奇襲」という軍事用語は、「敵(相手)が予期していない時間帯に不意打ちをしかけたり、敵がまったく予想していない手段を用いて攻撃したりすること」を示しています。

「奇襲」というのは、「相手を驚かせて十分な防衛ができないようにする、サプライズ要素のある思いがけない襲撃」を意味している用語になります。

「奇襲」の使い方

「奇襲」は、「相手の思いがけない時間帯に信じられない場所から急襲したり、相手が前もって予想できないような方法で攻撃したりすること」の意味で使うことができます。

「奇襲」というのは、「相手の思い込みの裏を突いて驚かせることで、十分な守り(防御)ができないようにする攻撃・襲撃」を指して使用されている軍事用語なのです。

「奇襲」を使った例文

・『敵には優秀な軍師がついているため、奇襲に対して十分な警戒をする必要があります。』

・『将軍は不意打ちの奇襲は好まず、常に軍陣を構えて正々堂々と対決することを好みました。』

・『少人数で大きな軍隊を打ち負かすためには、一人で数人を倒せるような奇襲を立案すべきなのです。』

・『現代のビジネスでも、正攻法ばかりで勝負するのではなく、時に意外性のある奇襲を採用することで成果が上がります。』

・『軍事力の規模で負けているからこそ、私たちは奇襲を最大の武器にすることで、何度も局地的な戦闘に勝利してきたのです。』

「奇襲」の類語

「奇襲」の類語には、以下の言葉があります。

・『不意打ち(ふいうち)』……相手がまだ守る準備ができていない段階で、不意を突いて突然の攻撃をすること。

・『騙し討ち(だましうち)』……相手を騙すかたちで攻撃すること。相手の思い込み・固定観念をうまく利用して、相手の裏をかいて有効な攻撃を仕掛けること。

「奇襲」の対義語

「奇襲」の対義語には、以下の言葉があります。

・『正攻法(せいこうほう)』……奇をてらった戦法などは使わずに、正々堂々と戦う方法。定石・セオリーに従った戦術・方法。

・『正面突破(しょうめんとっぱ)』……相手を騙そうとする策略・計略などは考えずに、正面から堂々とぶつかり合う攻撃を仕掛けて敵陣を突破すること。

まとめ

「急襲」「奇襲」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「強襲」「奇襲」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく知りたい時は、この記事の内容をチェックしてみてください。