この記事では、「衝突」と「激突」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「衝突」と「激突」の違い
「衝突」には、2つの意味があります。
1つめは、物と物が勢いよくぶつかることです。
もう一つは、立場や利害などが違うものが、ぶつかって争いとなることです。
「激突」には、激しい勢いで突き当たることという意味があります。
「衝突」のぶつかることという意味と、「激突」の意味は似ています。
しかし、ぶつかる勢いに違いがあります。
「衝突」は勢いよくぶつかること、「激突」は激しくぶつかることで、程度が大きいのは「激突」です。
「衝突」と「激突」の使い方の違い
どちらの言葉も、ぶつかることに使用されます。
程度が大きいのは「激突」の方です。
「電柱に衝突する」とも「電柱に激突する」とも表現できますが、より勢いが強い方、程度がはなはだしいものは「激突」の方になります。
また、「衝突」は立場や利害が相反するものがぶつかって争う意味でも使われます。
「意見が衝突する」のような使い方です。
「突き当たる」には、ぶつかるという意味の他に、思いがけない問題や障害にであうという意味があるので、「激突」は問題や障害に出会う意味でも使われることがあります。
「両チームが試合で激突する」のような使い方です。
「衝突」と「激突」の英語表記の違い
「衝突」は英語で、ぶつかる意味では“collision”、相反する意味では“clash”と表現をします。
「激突」は英語で、激しくぶつかる意味では“crash”、激しく対立する意味では“clash”と表現をします。
「衝突」の意味
「衝突」には、2つの意味があります。
1つめは、ぶつかることです。
アクセルとブレーキを踏み間違えて、建物や壁などに車がぶつかってしまったという事故が、テレビや新聞で報道されることがあります。
建物や壁と車がぶつかっており、こういったことが「衝突」になります。
もう一つの意味は、立場や利害が相反するののが、ぶつかって争うことです。
国境付近でA国とB国が領土を巡って意見の食い違いがありました。
A国は、ここまでが自分の国の領土だと主張しますが、B国はA国が主張する領土は自分たちのものだといい張ります。
どちらも譲ることをしません。
A国とB国では、利害が一致しておらず、争っています。
このようなことが「衝突」です。
「衝突」の使い方
ぶつかる意味では「車が壁に衝突する」のような使い方をします。
物と物、物と人、人と人などがぶつかることに使用できます。
立場や利害などが違うものがぶつかって争う意味では、「妻と意見が衝突する」のような使い方をします。
「衝突」を使った例文
・『車が電柱に衝突したが、怪我人は出なかった』
・『衝突事故が多発している地帯』
・『船の舵を切ることができず、崖に衝突する』
・『両国の意見の衝突がみられた』
「衝突」の類語
「激突」「ぶつかる」が類語です。
「ぶつかる」は、ものにあたること、あえて取り組むこと、立場や利害が相反するものがぶつかって争うこと、物事の日程などがかさなることなどの意味があります。
「衝突」の対義語
「回避」が対義語です。
ものを避けてぶつからないようにすることという意味があります。
「激突」の意味
「激突」とは、激しく突き当たることです。
「激」という漢字には、はげしいという意味があり、「はげしい」には、勢いがとても強い、程度がはなはだしいという意味があります。
つまり、「激突」はとても強い勢いでぶつかる意味になります。
「車が壁に激突する」というと、激しくぶつかって車が大破してしまった、壁が崩れてしまったという事が想像されます。
また、「激突」には問題や障害などにぶつかる意味もあります。
「突き当たる」には、ぶつかること、問題や障害に思いがけずにあうこと、それより先に進めない場所に行きつくことという意味があります。
「激突」が意味する「突き当たる」とは、ぶつかること、問題や障害にあうことです。
「優勝をかけて激突する」のような使い方がされ、この場合は人と人とが接触してぶつかる意味ではなく、争う意味を持っています。
「激突」の使い方
激しくぶつかることに使用されます。
程度が激しくないものには使わないことが一般的です。
人が歩いていて、道のわきから別の人が出てきてぶつかりました。
歩いている人同士なので、それほど勢いは強くありません。
このようなことは「激突」といわず、「ぶつかる」などの表現をします。
「激突」を使った例文
・『ボールをキャッチしようとしてフェンスに激突する』
・『列車と車が激突する』
・『決勝戦で激突する』
・『激突する瞬間を見てしまった』
「激突」の類語
「衝突」「ぶつかる」が類語です。
「激突」の対義語
「回避」が対義語です。
まとめ
2つの言葉は、ぶつかるという意味は同じですが、ぶつかる程度に違いがあります。