「俊敏」と「機敏」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「俊敏」と「機敏」の違い生活・教育

この記事では、「俊敏」「機敏」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「俊敏」と「機敏」の違い

「俊敏」とは、物事をなしうる力や物事を判断する力があり、判断や行動がとても早いことです。

「機敏」も同じ意味で、物事をなしうる力や物事を判断する力があり、判断や行動がとても早いことです。

2つの言葉が持っている意味はほぼ同じになります。

「敏」という漢字には、はやい、すばやい、さとい、かしこいという意味があります。

2つの言葉には「敏」という漢字が使われており、どちらの言葉も素早い、賢いという意味を持っています。

「俊」という漢字には、才知がすぐれている、ひいでるという意味があります。

「俊敏」「機敏」に比べて、才知が優れているという点が強調されています。

「機」という漢字には、きざし、きっかけ、物事のはたらきという意味があります。

つまり、「機敏」はそのときどにあわせて、素早く判断や行動をするという意味が含まれていることになります。


「俊敏」と「機敏」の使い方の違い

ほぼ同じ意味を持つ2つの言葉ですが、使われ方はやや違います。

「俊敏」は、頭の回転がよくて、何かをしたり、判断をしたりするのが素早いことに使用をします。

「機敏」は、そのときどきの状況を判断してすぐに行動や判断すること、とっさの出来事にもてきぱき行動や判断をすることについて使用をします。


「俊敏」と「機敏」の英語表記の違い

「俊敏」は英語で“agility”と表現をします。

「機敏」は英語で“agility”“quick”“prompt”と表現をします。

「俊敏」の意味

「俊敏」とは、物事をなしうる力や物事を判断する力があり、何かをすることや何かを見極めることが素早いことです。

頭の回転速度が素早いという意味合いがあります。

ボクシングの試合では、素早く動かないと相手に負けてしまいます。

そのため、素早く考えて素早くパンチを出す、素早く攻撃をかわすなどします。

頭の回転が速くないとできないことです。

一般の人だったら、次にどうするだろうと考えてしまうでしょうが、ボクサーはパンチをだす、攻撃をかわすなど、瞬時に判断して行動をしています。

このように素早いことを意味する言葉です。

サッカーの試合でも、素早く判断をして、素早く動くことが求められます。

ボールがきたら周囲の状況を判断して、誰にボールを渡すのか、ゴールに向かってボールを蹴ればよいのかなど考え、考えたことをすぐに行動に移します。

もたもたしていては、相手のチームにボールを取られてしまい、得点をきめられてしまうことでしょう。

サッカーの試合では、頭を速く働かせて、速く行動に移すことが求められるのです。

こういった素早さを意味する言葉です。

考えるのに時間がかかり、何かをするのにも時間がかかることは、意味していません。

たとえば、これから出かけようというとき、服装に悩むことがあるでしょう。

どれを着ようかすぐに判断できず、洋服を選ぶだけで10分以上かかってしまうこともあります。

これは「俊敏」だとはいえません。

「俊敏」の使い方

頭の動きが速く、何かをしたり、何かを判断するのが素早いことについて使用をします。

考えることに時間がかかる、動くまでに時間がかかる、動き方に時間がかかるといったことには使用しません。

「俊敏」を使った例文

・『俊敏な動きを見せてくれた』
・『俊敏さが要求される』
・『俊敏な動きで周囲を驚かせた』
・『俊敏に駆け抜ける』

「俊敏」の類語

「機敏」「鋭敏」「明敏」が類語です。

「鋭敏」「明敏」には、何かをする能力は何かを判断する力があり、素早く頭を働かせるという意味があります。

「俊敏」の対義語

「遅鈍」が対義語です。

何かをするのが遅いという意味があります。

「機敏」の意味

「機敏」とは、頭の働きが速く、何かをしたり、何かを判断したりするのが素早いことです。

とっさの出来事を判断してすぐに行動する、日常的な事柄にてきぱき対応するといった意味合いがあります。

猫の動きは素早いです。

人に飼われていて室内で過ごす猫なら、動作がゆっくりでも命にかかわることはないでしょうが、自然界で過ごしている猫は、素早く動かないと命が危険にさらされることがあります。

敵に襲われるなどとっさのときには、素早く動いています。

このような素早さを意味する言葉です。

室内飼いの猫でも、素早い動きを見せてくれることがあります。

病院では素早い動きが求められる場面が少なくありません。

救急車で患者が運ばれてきたとき、すぐに対応をしないと患者の命にかかわる可能性があります。

次に何をするのか、すぐに判断して、すぐに行動に移さなければなりません。

このときに「機敏さ」が求められます。

はやいことを意味する言葉で、ゆっくりしていることを意味しているのではありません。

たとえば、緊急の患者がいるのに、処置に必要な道具はどこにあるだろうと探しているようでは、「機敏」であるとはいえません。

「機敏」の使い方

何かをしたり、何かを判断したりするのが素早いことについて使用をします。

特に、日常の事柄やとっさの判断が必要とされる場面で、すぐに考えてすぐに行動することについて使用されています。

日常の事柄について使われる言葉です。

スポーツでも素早さが求められることが多くあり、スポーツについても使われることが多くあります。

何かをしたり、何かを判断したりするのに、時間がかかることには使用しません。

動きがゆっくり、考えるのがゆっくり、のろのろしているなど、時間がかかることには使用しない言葉です。

「機敏」を使った例文

・『異変を察知して機敏に動く』
・『機敏に行動をしてくれて助かった』
・『いつも機敏に対応してくれています』
・『機敏で気がきく人柄だ』

「機敏」の類語

「俊敏」「鋭敏」「明敏」が類語です。

「機敏」の対義語

「遅鈍」が対義語です。

まとめ

何かをしたり、何かを見極めたりすることが素早いという意味を持つ2つの言葉です。

意味はほぼ同じなのですが、使われ方にやや違いがあります。