この記事では、「憶測」と「推測」と「推察」の違いを分かりやすく説明していきます。
「憶測」とは?
「憶測」とは、はっきりした根拠なく自分なりに見当を付けることです。
「臆測」とも表記し、どちらを使っても問題はありません。
漢字の「憶」は自分で判断して見当をつけること、「臆」は思い出すという意味を持っています。
「測」はいろいろと考えることを意味しており、これらを組み合わせた「憶測」「憶測」は根拠に基づいた判断ではなく、自分の基準で見当を付けることを表します。
一般に「憶測」は、あいまいな記憶や見聞きした噂をもとに適当な判断をすること、当てずっぽうで見解を出すことを指しています。
「憶測」の例文
・『憶測による意見は正しいとは言えない』
・『これは僕の憶測なんだけど、例の件は山田さんに原因があると思うんだ』
「推測」とは?
「推測」【すいそく】とは、未知の事象について、情報をもとに見当をたてることです。
漢字の「推」は分からないことの答えを探し求めること、「測」は見当を付けることを意味しており、これらを組み合わせた「推測」は、未知の事象について見立てを付けることを表します。
またそれは当てずっぽうではなく、把握している情報をもとに見立てることを指しています。
一般に「推測」は、現在ある情報をもとに、事件や事故の原因、他人の心のうちなど明らかではない事象について推し量ることを指しています。
「推測」の例文
・『そのホテルが火事になった原因は宿泊客の寝タバコと推測される』
・『残された手がかりから、犯人の行方を推測する』
「推察」とは
「推察」【すいさつ】とは、相手の心の内や立場を思いやることです。
漢字の「推」は見当を付けること、「察」はその人の気持ちを考えてみることを意味しており、これらを組み合わせた「推察」は、相手が表に出していない心情、事情や背景について「こうではないか」と考えることを表しています。
一般に「推察」は、表面上ではっきりしない、あるいは直接尋ねることがはばかられるような相手の胸中、事情や立場について、こちらで察して配慮することを指します。
「推察」の例文
・『遺族の心中を推察し、この件には触れないようにする』
・『彼女の表情から、何か事情があるのだろうと推察できた』
「憶測」と「推測」と「推察」の違い
「憶測」「推測」「推察」は共に、「明らかではない事象について見当を付けること」を表しています。
「推測」は、把握している情報から未知の事象を推しはかることで、ある程度根拠に基づいた判断となります。
一方「憶測」は主観による判断で根拠が乏しいものです。
「憶測」や「推測」には出来事に対して見立てることも含まれますが、「推察」は人を思いやって事情を察することであり、出来事について見当を付けることではない点が違っています。
まとめ
今回取り上げた三つの熟語は、それぞれが「憶」「測」「推」「察」を組み合わせであり、見た目の印象も示す意味もとても似ています。
それぞれの小さな違いを比較してしっかり理解した上で、適切に使い分けていきましょう。