この記事では、「激増」と「急増」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
激増と急増の違い
「激増」は、数量が激しくふえることです。
「急増」は、急にふえることです。
どちらの言葉にも、ふえることという意味がありますが、どのように増えるのかが違います。
「激増」は激しい増え方です。
激しいとは、程度がはなはだしいこと、勢いがたいへん強いことを意味します。
「急増」は急な増え方です。
急には、速度や調子が速いさま、突然の出来事という意味があります。
つまり、速い増え方、突然な増え方ということです。
「激増」と「急増」を比べると、程度がはなはだしいのは「激増」の方になります。
激増と急増の使い方の違い
勢いよく増えることには、「激増」を使用します。
勢いよくとは、他を圧倒する力のことです。
圧倒されるほど強く数量が増えていくことに「激増」を使用します。
急に増えることには、「急増」を使用します。
急にには速度や調子が速いという意味や、突然の出来事という意味があるので、速く増えることや突然に増えることに使われます。
今までほとんど売れていなかった商品が、あるときから販売個数が今までよりも大幅に増えていきました。
増え方は、1日100個だったの150個に、次の日には200個にといった、それほど激しくないものです。
今まで売れていなかったものが思いもよらず売れてくるのは、突然の出来事といえるので「急増」です。
今まで1日10個ほどしか売れていなかった商品が、あるときから1日1000個も2000個も売れるようになったら、この売れ方は程度がはなはだしいといえるでしょう。
こういったことは「激増」を使用します。
激増と急増の英語表記の違い
「激増」は英語で“sudden increase”と表記をします。
「急増」は英語で“rapid increase”または“sudden increase”と表記をします。
“sudden”には、思いがけない、急なという意味があり、“rapid”には、すばやい、短時間の、急なという意味があります。
激増の意味
「激増」は、数量がはげしい勢いでふえることです。
激しいとは、程度が普通でないことを意味します。
勢いがたいへん強いこと、程度がはなはだしいことです。
「増」という漢字には、ふえる、ふやすという意味があります。
つまり、「激増」は程度が普通ではなく増えることになります。
たとえば、これまで体重が40kgだった人が、わずか2か月ほどの間に体重60kgまで増えてしまったら、程度がはなはだしい増え方といえます。
このようなことが「激増」です。
激増の使い方
「激増」は数量に使われる言葉です。
数量とは、数と量のことを意味します。
数は1個、2個と数えられるもので、量は質量や個数のことです。
人の数はかぞえることができるので、「人口が激増した」ということができます。
体重は質量なので、「体重が急増した」ともいうことができます。
数量以外のことには使われない言葉で、感情はかぞえられないものなので、怒りの感情が高まってくることを「怒りが激増」したとはいいません。
激増を使った例文
・『ファストフード店の利用者が激増した』
・『犯罪が激増して過去最多となった』
・『体重が激増して嫌になっちゃう』
・『悪口が激増する』
・『販売個数が激増する』
激増の類語
類語は「急増」です。
激増の対義語
増えるの対義語が減るで、勢いよく減ることが対義語になるので、「激減」になります。
急増の意味
「急増」は、急にふえること、急にふやすことです。
「急」という漢字には、いそぐ、突然という意味があります。
つまり、「急増」は突然に増えることです。
突然は、予期していなかったことが急に起こることを意味します。
「急増」は予期していなかったけれど、急に増えてきたということができます。
これまで1日の利用者が多くて5人程度だった飲食店にとっては、1日の利用者が50人と10倍にも増えるとは予想できないことでしょう。
予想できずに増えることが「急増」です。
また、急には速度や調子が速いという意味もあるので、速く増えることも「急増」といいます。
急増の使い方
突然に増えることや、速く増えることに使います。
インフルエンザウイルスによる感染者数は、夏は数が少ないけれども冬になると突然に増えてきます。
こういったことに「急増」を使用します。
急増を使った例文
・『感染者数が急増する』
・『来場者が急増して驚いている』
・『売上急増により、生産が追い付かない』
・『利用者が急増しています』
・『急増するとは思いもしていなかった』
急増の類語
類語は「激増」です。
急増の対義語
急に減ることが対義語で「急減」になります。
まとめ
2つの言葉は増えること人関係している言葉ですが、どのように増えるのか意味が異なります。