この記事では、「景気後退」と「不況」と「不景気」の違いを分かりやすく説明します。
「景気後退」とは?
売買・取引などの経済の状況が低迷し、不況へ向かいつつある状態を指し、「リセッション」とも言います。
資本主義・自由主義経済の許では、経済活動が拡張する時期と後退する時期を交互に繰り返す循環があり、その周期は数年程度見込まれます。
「景気後退」の例文
・景気後退はひとつの側面だけから測ろうとすると、その後の動向を見誤る恐れがあるので、速度、深度、長さ、部門や対象の種類による状況の違い、国によって異なる経済指標や景気後退の定義などに留意し、多角的な視点から捉える必要があります。
・景気後退は一般的にネガティブな現象ですが、景気の谷まで下降しきれば、その後、景気の拡張期に入る循環があり、景気動向と売り時を的確に判断し得る知識を有するトレーダーならば、景気変動に敏感な銘柄の株式を景気後退期の安値の内に買い、景気の拡大期に上手く売却して、利益を上げられる可能性があります。
「不況」とは?
景気循環サイクルの中で、売買・取引などの経済が停滞した状況を指す言葉です。
対義語は「好況」です。
「不況」の例文
・不況は、販売不振による業績悪化と物価の下落が、生産体制の縮小をもたらし、雇用状況の悪化によって賃金や利率の低下が生じ、それが更なる販売不振を呼ぶなど、相互に影響し合った状態です。
・一九九九年に廃止されましたが、かつては不況を切り抜ける為、業者間で生産数量・販売数量・価格について協定を結ぶ「不況カルテル」が、独占禁止法で特別に認められていました。
「不景気」とは
経済用語の場合、経済活動の全般的な沈滞状態を指します。
英語では“depression”です。
商売や物事が繁昌しないこと、しょぼくれて面白くない状態、愛嬌や元気のない様子を指す場合もあります。
「不景気」の例文
・不景気に陥ると、物価と賃金の下落、生産活動の全般的な縮小と失業の増大などを伴い、治安の悪化や自殺の増加など社会的な悪絵今日も大きくなります。
・意中の異性から振られたからと言って、いつまでも不景気な顔をしていては次の恋愛が遠ざかり、ますます良縁が遠のくので、諦めが肝心です。
「景気後退」と「不況」と「不景気」の違い
景気後退は、景気の循環の内、拡張期の上限に達して景気の山を越え、景気の谷へ向かう過程を指す経済用語です。
不況は、景気循環サイクルの中で経済活動が停滞した状況を指し、世界恐慌のように大規模な不況が世界大戦の原因になったことがあります。
不景気は、経済活動全般の沈滞状況を示す経済用語の場合と、商売や物事が繁昌しない、面白くない状態や、人物などについて愛嬌や元気がない様子を指す場合があります。
まとめ
「景気後退」と「不況」と「不景気」はいずれもネガティブなものですが、株式投資家などにとっては、株価下落時は買い時でもあます。
立場や目的などによっては、メリットを得る準備を整えやすい時期でもあるので、今の内に景気拡大期にすぐ動けるよう、力を蓄える待ちの姿勢が得策です。