みなさんは「逸脱」と「濫用」と「乱用」という言葉がどのような意味を持っているかご存知でしょうか?
そこでこの記事では、「逸脱」と「濫用」と「乱用」の違いを分かりやすく説明していきます。
「逸脱」とは?
「逸脱」は「いつだつ」という読み方になります。
この「逸脱」とは「本筋からそれること」、あるいは「誤って抜かし落とすこと」や「抜けること」という意味を持っている言葉になります。
「逸脱」の例文
ここで「逸脱」の例文を見ていきましょう。
以下のようなものが挙げられます。
・『彼のふるまいは私たちの常識を逸脱して周囲の人に多大な迷惑をかけている』
・『教授の論文はこれまでの考えをあまりにも逸脱した内容になっていた』
「濫用」とは?
次に「濫用」ですが「らんよう」という読み方になります。
この「濫用」は「むやみやたらに使うこと」、もしくは「権利や権限などやものなどをみだりに用いること」を指しています。
「濫用」の例文
「濫用」の使い方としては以下のような例文が考えられます。
・『A氏を職権を濫用して多大な賄賂を受けていたのだが、ついに検挙されることになった』
・『仕事上での権利を濫用してしまったためにA課長が退職に追い込まれることになったのだ』
「乱用」とは
「乱用」も「らんよう」と言う読み方をします。
この「乱用」は「一定の限度を超えてみだりに用いること」という意味を持っている言葉です。
「乱用」の例文
「乱用」の例文では以下のようなものが挙げられます。
・『彼は薬物乱用で逮捕されたのだが、これで3度目となり、かなり常習性が高いと思われる』
・『会社の支給品を乱用していた課長がその行為を人事部に知られることになり、降格処分を受けた』
「逸脱」と「濫用」と「乱用」の違い
ここで「逸脱」と「濫用」と「乱用」の違いを見ていきましょう。
まず「濫用」と「乱用」の違いなのですが、2つとも「むやみやたらに使うこと」という意味を持っています。
このことから全く違いがありません。
しかし、「乱用」は「濫用」より後にできたものであり、以前に「濫」の字が、当時の「当用漢字」からの削除候補に挙げられた経緯があります。
その後、削除はされることなく現在でも「常用漢字」に残っているわけです。
このことから、現在では「乱用」が一般的な言葉となっており、「濫用」は主に法律関係で使わるようになったのです。
「逸脱」とは「本筋からそれること」という意味になるのて、明らかに意味が異なります。
まとめ
ここまで「逸脱」と「濫用」と「乱用」の意味や違いを説明してきました。
この3つの言葉の中で特に「濫用」と「乱用」は読み方も意味を同じなので、使い方が難しいかもしれません。
しかし、現在では「乱用」の方が一般的になっているので、これを機会にしっかりと覚えて正しく使うことができるようにしておいてください。
「逸脱」も仕事上でよく耳にする言葉なので、チェックしておきましょう。