「傘」と「笠」の違いとは?分かりやすく解釈

「傘」と「笠」の違い生活・教育

雨よけなどに用いられる「かさ」には「傘」「笠」というふたつの漢字が使われます。

このふたつの漢字はどのような違いで使い分ければいいのでしょうか。

今回は、「傘」「笠」の違いについて解説します。

「傘」とは?

「傘」とは、「頭上にかざし建物の屋根やひさしのようにして雨や日光を避ける道具」を意味する言葉です。


「傘」の使い方

木や金属などで造られた骨組みに耐水性の布や紙などを貼り取り付けた柄で頭上に高く掲げて雨よけや日よけとして使われる道具が「傘」です。

世界各国に見られる道具ですが形状にはほぼ違いがなくどれもキノコのような形をしています。

頭上から降ってくるものや降り注ぐものをさえぎるために使われる防護用具の一種で一般的には雨や雪、強い日差しなど天気の変化に対処するための道具です。

広げると体をすっぽりと覆うほど広がりますが持ち運べるようすぼめてまとめるように作られており携帯性も考慮されています。

さらに携帯しやすいよう短く折りたためるものも存在します。

歴史的には強い日差しを遮るために作られた「日傘」が始まりとされています。

その後耐水性に優れた素材を使った「雨傘」が開発され現在では透明で明るさを保てるビニール傘が広く用いられています。

たたんで持ち運ぶため独特の構造をしていますがこのような構造は古くからあるもので長い時間を経てもほとんど構造は変化していません。

軽量化や耐水性などは技術の進歩により向上しているものの基本的な構造については誕生した当初とほぼ同じです。


「笠」とは?

「傘」とは、「頭にかぶり雨よけや日よけとして使う装身具」を意味する言葉です。

「笠」の使い方

帽子のように頭にかぶって使う雨よけや日よけの道具のことを「笠」といいます。

ワラやイグサなど植物性の所在を使って製作されることが多く、頭に乗せてかぶりずれないようにあご紐で縛って使います。

装身具なので身につけたまま移動したり仕事をしたりすることが可能です。

軽量で使用中も手を塞ぐことがなく作業の妨げにならないことから屋外での作業時に使う雨具や日よけとして広く使われています。

本来は雨具など実用品として使われる「笠」ですが顔を隠すために使われる「編笠」やおしゃれのための「花笠」戦場で着用する「陣笠」など天候対策以外の用途で使われるものもあります。

「傘」と「笠」の違い

「傘」「笠」の違いは「使い方」です。

「傘」は柄を持ち頭上に高く掲げて使うのに対し「笠」は頭に乗せかぶって使います。

同じ雨よけや日よけのために使う道具でも手に持って掲げて使うのが「傘」、身につけて装身具として使うのが「笠」という違いで区別されます。

「傘」の例文

・『雨が降ってきたので傘をさす』
・『猛暑日なので熱中症状にならないよう日傘をさした』

「笠」の例文

・『笠をかぶり合羽をまとった渡世人姿でたびをする』
・『売れ残った笠を地蔵にかぶせる』

まとめ

用途は同じでも「傘」「笠」は違うものを指しています。

道具としての使い方や使っているときの姿で区別されるので混同せず正しい表現を用いましょう。