「検討」と「検証」の違いとは？使い方や例文も徹底的に解釈

この記事では、「検討」と「検証」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「検討」と「検証」の違い
1. 「検討」と「検証」の使い方の違い
2. 「検討」と「検証」の英語表記の違い
「検討」の意味
「検証」の意味
まとめ

「検討」と「検証」の違い

「検討」とは、物事をよく調べて、よいか悪いかを考えることです。

「検証」とは、物事を実際に調べて、仮説などを証明することです。

どちらの言葉も、物事を調べるという意味が含まれていますが、調べてどうするのかという点で意味が違います。

「検討」の場合は、よく調べて、よいか悪いかを考えます。

たとえば、あるところに使われていない空き地があり、土地を有効活用しようと、太陽光パネルの設置の話しが持ち上がりました。

土地の持ち主や環境保護団体は、太陽光パネルを設置することで環境に悪影響を与えないか、どれくらいの収益が見込めるのかなどを調べ、太陽光パネルを設置することがよいことなのか、悪いことなのか考えてみました。

このように、いくつかの面から物事を調べて、よいか悪いかを考えることが「検討」です。

「検証」の場合は、よく調べて、仮説などを証明します。

一流のスイマーは、おでこにものを乗せたまま背泳ぎができるといわれているそうです。

これは仮説であり、実際に調べてみないと、本当におでこにものを乗せたまま背泳ぎできるのかわかりません。

そこで、実際に一流スイマーにおでこにものを乗せたまま背泳ぎをしてもらいました。

それによって、仮説が正しいのか、そうでないのかはっきりとします。

このように、調べて仮説を証明することが「検証」です。

「検討」と「検証」の使い方の違い

物事をよく調べて、よいか悪いか考えることに「検討」を使用します。

物事をよく調べて、仮説などを証明することに「検証」を使用します。

「検討」と「検証」の英語表記の違い

「検討」は英語で“examination”や“investigation”や“consideration”と表現をします。

「検証」は英語で“verification”と表現します。

「検討」の意味

「検討」には、物事をいろいろな面から調べて、よいか悪いか考えるという意味があります。

たとえば、野球で2軍に所属している選手が、活躍をみせてくれているので1軍に昇格してもいいのではないかという話があったとします。

しかし、本当に1軍に昇格させてもよいのか、まだはっきりと決断をすることができていません。

そこで、1軍に昇格させてもよいのか、選手のこれまでの成績をよく調べたり、現在1軍で活躍している選手の成績や健康状態などを調べたりしました。

いろいろな面から調べてみたのです。

そして、調べたことをもとによいか悪いかを判断しました。

このように調べて考えることを「検討」といいます。

「検討」するときに調べることは、たった一つのことではなく、いろいろな方面から調べてみます。

「検討」の使い方

物事を調べて、よいか悪いか考えることについて使用をします。

調べずに考えることではありません。

いろいろな方面から調べていて、調べたことを材料にしてよいか悪いかを考えます。

「検討」を使った例文

・『CMへの出演を検討している』
・『保護地区に指定するか検討をする』
・『ドローンを農業に活用するか検討している』
・『そのことについて検討しているところです』

「検討」の類語

「吟味」が類語です。

物事を細かいところまでよく調べること、細かいところまでよく調べて選ぶことという意味があります。

「検討」の対義語

「浅慮」が対義語に近い言葉です。

あさはかな考えという意味があります。

「検証」の意味

「検証」とは、物事をよく調べて、仮説などを証明することです。

「仮説」とは、仮に立てられた説であり、実際にそうであるといえるものではありません。

事実と合致すると判断するためには、実験や観察などをする必要があります。

実験や観察などによって仮説などを証明することが「検証」です。

頭の中であれこれ考えることではなく、実際に調査をします。

たとえば、電動アシスト自転車のシェア事業を開始しようと考えたとします。

シェア事業をするにあたり、バッテリーが盗まれないか、自転車が返却されるのかなど不安がありました。

そこで、本格的に事業を始める前に、一部の地域で実際に電動アシスト自転車のシェアを行ってみました。

これによって、盗難の心配はあるのか、自転車が返却されるのかなどがわかります。

このように実際に調査をして明らかにすることが「検証」です。