子どもを指す言葉として「長子」と「次子」と「長男」があります。
書類の続柄を記入する欄でよく用いる言葉ですが、具体的にはどのような意味なのでしょうか。
今回は、「長子」と「次子」と「長男」の違いについて解説します。
「長子」とは?
「長子」とは、「夫婦の間で最初に生まれた子ども」を指す言葉です。
生まれ順が一番目の子どもが「長子」です。
もともとは「最初に生まれた男子」という意味合いで使われることが多かったのですが、現在では男女の区別なく夫婦の間に最初に生まれた子供のことを「長子」と呼んでいます。
兄弟の中で一番上の兄や姉に当たるのが「長子」です。
「長子相続」という場合は最初に生まれた子どもが財産を相続することを意味します。
公的な書類などで用いられることはほとんどなく、現在も言葉としては残っているものの実際に使う機会は少ない表現です。
最初に生まれた子供を意味する言葉なので一人っ子でも「長子」に当たりますが、通常は二人以上いる兄弟の一番上に当たる子を指す言葉として使われます。
「長子」の例文
・『調子にすべての財産を相続させるのがこの土地の習わしだ』
・『調子はしっかりものに育つ確率が高いという研究結果が報告された』
「次子」とは?
「次子」とは、「夫婦の間で二番目に生まれた子ども」を指す言葉です。
生まれ順が2番目の子どもを「次子」といいます。
男女の区別なく二番目に生まれた子どもに使われる言葉であり、最初の子どもの性別も無関係です。
古い意味合いでは「二番目に生まれた男子」を表していましたが現在ではその意味で使われることはほとんど無く「男女を問わず二番目の子ども」を指す言葉として使われます。
「次子」の例文
・『初めての子どものときは何かと慌ててしまったが次子のとき落ち着いて育児ができた』
・『次子の洋服はどうしてもお下がり中心になってしまう』
「長男」とは
「長男」とは、「最初に生まれた男の子ども」を意味する言葉です。
夫婦の間に生まれた子どものうち最初に生まれた男の子を「長男」といいます。
男の子にのみを指す言葉なのでそれまで女の子が何人生まれていても初めての男の子が「長男」になります。
「長男」という表現は書類の続柄欄などにも使われる公的な表現です。
現在の日本では子どもの性別で扱いが異なることはありませんが慣習として「長男」という表現は今でも使われています。
最初に生まれた男の子を意味する「長男」に対し、最初に生まれた女の子は「長女」です。
「長男」の次に生まれた2番目の男の子は「次男」その次は「三男」と表します。
「長男」の例文
・『武家社会では長男が家の跡継ぎになるのが一般的だった』
・『長男が親の面倒をすべて見るというのは古い考えだ』
「長子」と「次子」と「長男」の違い
「長子」と「次子」と「長男」の違いは「生まれ順」と「性別」です。
夫婦の間に「女子の一美」「男子の二郎」「女子の三津子」の順番で3人の子どもが生まれたとします。
このとき「長子」に当たるのは最初に生まれた「女子の一美」です。
「次子」は二番目に生まれた子どもなので「男子の二郎」です。
「長男」は最初に生まれた男児なので同じく「男子の二郎」を指します。
「長子」と「次子」は生まれ順のみで区別し、「長男」は「生まれ順」と「性別」の両方の要素で区別します。
まとめ
「長子」と「次子」と「長男」は意味を取り違えやすい表現です。
それぞれが何を指しているのかをきちんと理解して間違えないようにしましょう。