「現物取引」と「信用取引」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「現物取引」と「信用取引」の違い金融・経済

この記事では、「現物取引」「信用取引」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「現物取引」と「信用取引」の違い

「現物取引」とは、実物取引とも呼ばれるもので、売買契約の成立後に受渡期日に必ず売買物件と代金の決済する取引方式です。

受渡期日までに転売や買戻しをすることは出来ないことに注意が必要です。

「信用取引」とは、株式取引において、証券会社から委託保証金や代用の証券などを担保として預けて、証券やお金を借りて、株式を売買する取引方法です。

「信用取引」は、買い付けた株式や売りつけた株式の代金を直接受け取るのではなく、売買によって生じた差額のみを受け取ります。

「現物取引」は、資金の範囲内で取引するのに対し、「信用取引」は、自己資金や証券などを担保にしてお金や証券を借りて取引するという違いがあります。


「現物取引」と「信用取引」の使い方の違い

「現物取引」は、普段のお買い物でイメージされるような、商品と現金を等価で交換する取引方式ですが、自由経済社会では、ものの価値が常に変動しているので、同じものでも常に価格が変動しています。

通常の取引物であれば価格変動は緩やかですが、株式取引においては、目まぐるしい速度で変化が訪れます。

昔は、売買契約を決めてから実際に受渡が行われるまでに3日程度かかることが普通でしたが、現在では、株式取引をインターネット上で即時にできます。

現物取引では必ず、持っている資金の範囲内で株式を購入することになるので、所持していない株式を売ることはできないことに注意が必要です。

例えば、株価は限りなくゼロに近づいたとしても、取引した資金以上の負債を抱えることがないというメリットがあります。

借り入れた現金をもとに現物取引すると破産する可能性があることに注意が必要です。

「信用取引」は、担保をもとにして借り入れができるので、実際に預けた金額の3倍程度の金額の株式を購入できますが、年利3. 5%前後の金利が発生します。

「信用取引」は、株価が上昇した時の利益の幅を広げるメリットもありますが、暴落した時のデメリットもあるので注意が必要です。

また、「制度信用取引」では、現物と現金を直接交換する必要がないため、期日を定めて所持していない株式を借り受けて売却し、株価が下がった時に買い戻すことで利益を発生させる空売りがありますが、期日が来た時には必ず借りた株式を返却することになるため、株価が上昇した場合に、上昇した価格で買い戻して返却するリスクがあります。

「信用取引」は、ここまで説明したようなメリットとデメリットを理解していることが前提で使われているということに注意が必要です。

「現物取引」は、商品や株式と現金を等価で交換する取引方式に使われるのに対し、「信用取引」は、担保をもとにして借り入れた株式売って期日までに買い戻して返却する株式取引や、担保をもとにして借り入れた資金で株式を買って期日までに現金を返却する株式取引に使われるという違いがあります。


「現物取引」と「信用取引」の英語表記の違い

「現物取引」の英語表記には、“cash transaction”“spot transaction”“spot deal”“spot trading”などが考えられます。

“cash transaction”は、現金、現金払い、即金などの意味の“cash”と、処理、取扱、取引などの意味の“transaction”を合わせて、現金取引、現物取引となります。

“spot transaction”は、(商品や取引が)その場の、当用の、即座のなどの意味の“spot”と、“transaction”を合わせて、現物取引となります。

“spot deal”は、“spot”と、分配する、分ける、配る、売買するなどの意味を持つ“deal”を合わせて現物取引となります。

“spot trading”は、“spot”と、取引、貿易、商取引などの意味を持つ“trading”を合わせて現物取引となります。

「信用取引」の英語表記は、“margin trading”“margin order”“margin transaction”などが考えられます。

“margin trading”は、余裕、差、票差、余地、証拠金、利ざや、原価と売値の差額などの意味を持つ“margin”と、“trading”を合わせて信用取引となります。

“margin order”は、“margin”と、順序、秩序、順位、注文などの意味を持つ“order”を合わせて、信用取引となります。

“margin transaction”は、信用取引となります。

「現物取引」と「信用取引」を使った例文

・『現物取引を持ち続けます。』

・『現物取引には、取引手数料が伴います。』

・『現物取引は、長期保有も安心です。』

・『信用取引は、レバレッジを付けられます。』

・『信用取引は手数料無料ですが、貸株料は伴います。』

・『現物取引はローリスクで、信用取引はハイリスクです。』

「現物取引」の類語

類語にはスポット取引があります。

スポット取引とは、スポット日に契約した商品や株式を現金で決済することです。

「現物取引」の対義語

対義語には、先物取引があります。

先物取引とは、将来の相場や、金利を現時点で確定契約する取引方式です。

予め決めた相場にそって取引するので、価格の上昇や下落などの変動の影響を受けない取引方式となります。

「信用取引」の類語

類語には、先物取引、証拠金取引があります。

証拠金取引は、証拠金を担保にして、お金を借りて外貨を買う取引方式です。

外貨取引では、利益と損益の分だけ決済することが可能な差金決済を前提としているので、最大20倍以上の資金を借り入れして取引できます。

まとめ

「現物取引」「信用取引」について説明しました。

「現物取引」とは、売買契約の成立後に受渡期日に必ず売買物件と代金の決済する取引方式です。

「信用取引」とは、株式取引において、証券会社から委託保証金や代用の証券などを担保として預けて、証券やお金を借りて、株式を売買する取引方法です。

「現物取引」は、商品や株式と現金を等価で交換する取引方式に使われるのに対し、「信用取引」は、担保をもとにして借り入れた株式売って期日までに買い戻して返却する株式取引や、担保をもとにして借り入れた資金で株式を買って期日までに現金を返却する株式取引に使われるという違いがあります。