「金融庁」と「財務省」と「大蔵省」の違いとは?分かりやすく解釈

「金融庁」と「財務省」と「大蔵省」の違い金融・経済

この記事では、「金融庁」「財務省」「大蔵省」の違いを分かりやすく説明します。

「金融庁」とは?

内閣府の外局のひとつです。

一九九八年に設置された「金融監督庁」を組織改編し、二〇〇〇年に設置されました。

金融政策の企画立案や、金融機関に対する検査や監査などを行います。


「金融庁」の例文

・金融庁の主な役割は、資金の適切な供給を保ち、経済成長と安定的な資産形成を促すことによって、国民生活を豊かにすることで、具体的には、金融システムの安定と金融仲介機能、利用者の保護と利便性の確保、金融市場の透明性及び公正の確保と市場の活性化を並立させることです。

・金融庁の役割のひとつである「金融システムの安定」の例には、二〇二一年だけでも複数回の大規模なシステム障害を発生させたみずほ銀行に対して、行政処分である業務改善命令を出したことが挙げられます。


「財務省」とは?

一八六九年に設置された大蔵省が、二〇〇一年の中央省庁再編で一部改組されてできた中央行政機関です。

国の予算や国庫、税制、通貨などを所掌します。

「財務省」の例文

・財務省原案は国の予算編成作業の一部で、財務省が国の予算について各省庁の概算要求を査定し、閣議提出後、各省庁に内示する概算査定案のことです。

・財務省証券は、政府短期証券のひとつで、財政法第七条第一項に基づき、一般会計の一時的な資金不足を補う為に国庫の資金繰りとして発行され、その年度中に償還されるものです。

「大蔵省」とは

律令制の下では、八省のひとつで、工芸品などを物納する税の「調」、労働力の提供もしくは、布などを物納する税の「庸」の出納、度量衡の管理や、器具や衣服の製作などを司る役所でした。

「おおくらのつかさ」とも呼ばれます。

近代以降は、国の財務や通貨、金融、証券取引、外国為替などを所管する中央行政機関のひとつです。

「大蔵省」は一八六九年~二〇〇一年の名称で、二〇〇一年の中央省庁再編時に「財務省」となりました。

「大蔵省」の例文

・旧大蔵省の本庁舎は、一九三四年から敷地造成に着手し、戦時中の物資不足で工事が一時中断したものの作業を漸進させ、一九四三年に概ね完成、戦後、米軍に接収されましたが、解除後に改修工事を実施し、一九六三年に現在の姿が完成しました。

・大蔵省は、大宝律令の性質を色濃く残す「職員令」に基づいて一八六九年(明治二年)に設置され、所掌事務や機構などは度々改正されましたが、二〇〇一年(平成十三年)まで、一度も改称されることはありませんでした。

「金融庁」と「財務省」と「大蔵省」の違い

金融庁は、金融監督庁を前身とする内閣府の外庁で、財務省の機関ではありません。

財務省は、大蔵省を前身とする中央行政機関のひとつです。

大蔵省は、一八六九年から二〇〇一年まで百三十年以上に亘って存続した国の財務等を所掌する中央行政機関でした。

まとめ

金融庁の担当は財務大臣ではなく、内閣総理大臣と、内閣府特命担当大臣(金融)です。

財務省は、大蔵省を改組した国の財務を総合的に管理する中央行政機関ですが、仮想通貨など新しく誕生した金融システムや世界経済の問題解決などにも対応できるよう、進化しています。