この記事では、「増収」と「増益」の違いを分かりやすく説明していきます。
「増収」と「増益」の違い
「増収」と「増益」の違いについて紹介します。
「増収」と「増益」の使い方の違い
「増収」は「売上げが増えること」に使われます。
単純に以前と比較して、商品やサービスを売った金額が増えることを表します。
「増益」は「利益が増えること」に使われます。
売上げから仕入れ値や経費などを差し引いて残った金額が、以前よりも増えて、いわゆる「儲かっている状態」になることを言います。
「増収」と「増益」の英語表記の違い
「増収」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「an increase in sales revenue」で、「売上げ収入の増加」=「増収」というニュアンスです。
“We sucecced to make an increase in sales revenue in this year.”
(わが社は今年度の増収に成功した)
2つ目は「an increase in income」で、「所得の増加」=「増収」というニュアンスです。
“This it the estimate for an increase in imcome by this quarter.”
(こちらが今年四半期までの増収の見込み表です)
「増益」の英語表記は以下の通りです。
1つ目は「an increase in profit」で「利益の増加」=「増益」というニュアンスです。
“We can expect in increase in profit by the end of this year.”
(わが社では今年の末までに増益が見込まれる)
2つ目は「profit growth」で「利益の成長」=「増益」というニュアンスです。
“The profit growth in this month is less than the last month.”
(今月の増益は先月よりも減っている)
「増収」の意味
「増収」は「ぞうしゅう」と読みます。
意味は「収入や収穫が増えること」です。
企業において、前回の決算時と比較して売上金額が増えていることを表し、国や地方自治体においては税収が増えることを表し、農業においては作物の収穫高が増えることを言います。
「増」は「ます」「ふえる」という意味、「収」は「おさめる」とも読み「手に入る金銭」「取り高」という意味、「増収」で「手に入る金銭が増えること」になります。
「増収」は単に「売上金額が増えること」という意味で、その企業や団体が儲かっているとは限りません。
売上がどんなに増えても、それ以上に仕入れ値が高くついていたり、人件費などの費用が高くついていたりすると、企業として儲かっているとは言えないのです。
「増収」の使い方
「増収」は「収入や収穫が増えること」に使われます。
「増収する・した」「増収となる・となった」と使われたり、「増収して」と副詞として使われたりします。
「増収」は単純に手元に入るお金が増えることであり、出ていくお金に関しては含まれていません。
「増収減益」は「売り上げが増えているのに儲からないこと」として使われています。
「増収」を使った例文
・『今年は去年度よりも10%の増収が見込まれる』
・『商品のキャンペーンを開始してから増収に転じ始めた』
・『会計的には増収しているが、開発費用や広告宣伝費など経費も増えている』
・『わが社の商品が少しずつ世間で認められる様になり、増収傾向が見られる』
・『せっかく増収しているので、もう少し仕入れも増やした方がいい』
「増収」の類語
・「売り上げが好調(うりあげがこうちょう)」
「商品やサービスが人気になり、良く売れる状態が続いていること」という意味です。
「製品をモデルチェンジしてから売り上げが好調になっている」などと使われます。
・「書き入れ時(かきれいどき)」
「商品が良く売れて、帳簿の記入に忙しい時」から転じて「商売が繁盛して売上が多い時期」という意味です。
「GWと夏休みはうちの書き入れ時なので、休暇はずらして取って下さい」などと使われます。
「増収」の対義語
・「減収(げんしゅう)」
「収入や収穫が減ることを」という意味です。
「感染症が流行したおかげで、商売がすっかり減収してしまった」などと使われます。
「増益」の意味
「増益」は「ぞうえき」と読み、以下の2つの意味があります。
1つ目は「利益が増えること」で、個人事業主や企業などの会計において、利益が増えることを言います。
「利益」とは、「収益」から「費用」を差し引いた金額で、いわゆる「儲け」にあたります。
「利益」が出るということは、それだけ商品やサービスが良く売れていて、更には適切な仕入れ値を確保できていたり、家賃や人件費などが多すぎない状態であるということで、経営がうまくいっていることになるのです。
2つ目は「数を増やしたり、増えること」という意味ですが、こちらの意味で使われることはあまりありません。
「益」は「もうけ」「利得」という意味、「増益」で「もうけが増えること」になります。
「増益」の使い方
「増益」は「利益が増えること」に使われます。
「増益になる・なった」「増益に転じる・転じた」「増益を続ける・続けた」などと使われたり、「増益して」と副詞として使われたりします。
「増収増益」は、商品やサービスの売上げが増加して、利益も増えるという会社が儲かっている状態を表します。
「増益」を使った例文
・『新商品のおかげで今期はかなりの増益が期待できる』
・『徹底的なリストラと節約を行い、やっと増益に転じた』
・『これ以上業種を増やしてしまうと増益が見込めなくなってしまうだろう』
・『あの企業は小規模経営ながらも毎年増益が続いている』
・『営業の努力により増益傾向になってきた』
「増益」の類語
・「黒字(くろじ)」
「帳簿で収入超過分を黒字で記入すること」から転じて「収入が支出を上回り、余剰金が発生すること」という意味です。
「今回の決算は黒字だった」などと使われます。
・「商売繁盛(しょうばいはんじょう)」
「商品やサービスがよく売れて、利益が出て栄えること」という意味です。
「毎年必ず初詣に行き、商売繁盛を祈願する」などと使われます。
「増益」の対義語
・「減益(げんえき)」「利益が減ること」という意味です。
「決算で3年ぶりに減益に転じた」などと使われます。
まとめ
今回は「増収」と「増益」について紹介しました。
「増収」は「売上が増えること」、「増益」は「利益が増えること」と覚えておきましょう。