「譲歩」と「妥協」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「譲歩」と「妥協」の違い生活・教育

この記事では、「譲歩」「妥協」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「譲歩」と「妥協」の違い

「譲歩」とは、自分の考えや言い張りたいことを押さえて、相手がどう思うのかということに従うことです。

「妥協」とは、互いに譲らないでいたものが、お互いに譲り合って双方の意見や考えのぴったりあうところを見つけ、穏やかに解決することです。

どちらの言葉にも、あるところまで自分の考えを曲げて、穏やかに問題を解決するという意味が含まれています。

しかし、やや意味合いが違います。

「譲歩」の場合は、2人で問題を話し合っていた場合、どちらか一方が意見を曲げたり、双方の一致するところを見つけたりすることです。

ここまでなら意見を曲げられるというところまで曲げて、相手に応じることを意味しています。

「妥協」の場合は、意見を曲げるのは双方です。

2人で問題を話し合っていた場合、双方で相手の意見に従えるところを見つけたり、双方で意見の一致するところを見つけて、折り合いをつけることをいいます。

そして、穏やかに事をまとめます。

「譲歩」は従うという意味を持ち、「妥協」は穏やかに事に決まりをつけるという意味を持ちます。


「譲歩」と「妥協」の使い方の違い

相手の意見に従うことについて「譲歩」を使用します。

意見を曲げるのは一方です。

双方が一定のところまで意見を曲げる、または一方が意見を曲げて、問題を穏やかに解決することについて「妥協」を使用します。


「譲歩」と「妥協」の英語表記の違い

「譲歩」は英語で“concession”“compromise”と表現をします。

「妥協」は英語で“compromise”と表現をします。

「譲歩」の意味

「譲歩」には、自分の考えていることや言い張りたいことを押さえて、相手がどうするのかということに従ったり、お互いの意見の一致点を見つけたりすることです。

従うという意味を持っています。

子どもがキャラクターものの服を着ることを嫌う親は少なくないようです。

親が「キャラクター物はダメです」といっても、聞き入れない子どももいます。

親は「ダメです」といい、子どもは「どうしてもキャラクターものの服を着たい」といい張ります。

これでは話に決着がつきません。

そこで、親は自分の意見を少しだけ曲げることにしました。

たとえば、キャラクターものの服を着ることを許すけれど、家でしか着てはいけないなどです。

これは、「キャラクターものの服を着たい」という子どもの意見に一部従ったことになります。

あるサッカー選手の年俸は16億円といわれていました。

しかし、その選手を獲得したくても16億円もの大金を支払えるチームはありません。

選手を獲得したいチームは多いものの、大金を支払えないために獲得することができず、このままではその選手はどこのチームとも契約することができません。

そこで、選手は年俸を少しだけ抑えることにしました。

これは、大金を支払えないというチームの意見に一部従ったことになります。

このように相手がこうしたいと考えていることに従うことを「譲歩」は意味しています。

「譲歩」の使い方

相手がどうするつもりかと考えていることに従うことについて使用をします。

自分はこうしたいという意見を持っているけれど、ここまでなら許せるという範囲でその意見を曲げて従うことを指します。

相手を従わせることではなく、自分が従うことについて使用をします。

「譲歩」を使った例文

・『最終的に譲歩することになった』
・『譲歩するつもりはないようだ』
・『場合によっては譲歩をしてもよい』
・『企業側に譲歩する形になった』

「譲歩」の類語

「妥協」「折り合い」が類語です。

「折り合い」には、お互いに自分の意見を抑えて解決するという意味があります。

「譲歩」の対義語

「衝突」が対義語です。

譲ることをせず争うことという意味があります。

「妥協」の意味

「妥協」とは、反対の立場にあったものが、お互いに意見を曲げたり、お互いの意見で一致するところをみつけたりして、事を物静かに解決することです。

ある洋菓子店では、飼育方法にこだわっている鶏から採れる卵をお菓子作りに使いたいと考えていました。

しかし、その卵は一般的なものよりも高価です。

そこで、卵を売っている店にもう少し安くしてもらえないか相談をしました。

しかし、こだわりがあるので安くはできないといわれてしまいました。

それでも、その卵を手に入れたいです。

そこで、洋菓子店側は仕入れる量を多くするから安くして欲しいと卵店に話を持ちかけました。

卵店側は、たくさん仕入れてもらえるならコストを削減でき、もとをとることができると考え、少し安くすることにしました。

双方で意見が一致するところを見つけることができたのです。

こうして、安く卵を仕入れたいという問題は解決しました。

このときに、当事者間で意見の一致するところを見つけたり、意見をあるていど曲げたりしています。

それによって、問題が穏やかに解決しました。

このように、お互いに納得できる部分を見つけて、問題を穏やかに解決することを意味する言葉です。

どちらか一方、または双方が圧力をかけて問題を解決しようとすることではありません。

「妥協」の使い方

対立する意見を持っているものの一方、または双方が働きかけて、お互いの意見で一致するところを見つけたり、意見を曲げたりして、問題を解決することについて使用をします。

どちらも意見を曲げることなく、お互いが衝突するようなことには使用しません。

また、穏やかに解決することであり、圧力をかけて解決することにも使用しない言葉です。

「妥協」を使った例文

・『妥協をすることはできない』
・『妥協することにした』
・『妥協して購入をした』
・『妥協を許さない』

「妥協」の類語

「譲歩」が類語です。

「妥協」の対義語

「衝突」が対義語です。

まとめ

相手の考えを受け入れるという意味を持つ2つの言葉ですが、ややニュアンスが違い、「譲歩」は相手に従うこと、「妥協」はお互いの一致点を見つけることを意味しています。