人や物の数に関する言葉で「多寡」と「過多」と「多少」という言葉があります。
これらの言葉にはどのような意味があって、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「多寡」と「過多」と「多少」の違いを分かりやすく説明していきます。
「多寡」【たか】とは?
「多寡」とは、数量や金額が多いか少ないかという意味合いの言葉になります。
言葉の中に使われている「寡」という文字には人数や勢力が少ないという意味があり、その文字に、たくさんあるという意味の「多」の字が組み合わされてできている言葉です。
「過多」「多少」と比べるとあまり使用する機会の少ない言葉かもしれませんが、同じ読み方で別の意味を持つ漢字も他に存在するので、それらと混同しないように覚えておきましょう。
「多寡」の例文
・『参加人数の多寡に関係なく会議を始めます』
・『金額の多寡を問わず、お年玉はもらったら嬉しいものだ』
「過多」【かた】とは?
「過多」とは、数量が必要以上に多いという意味合いの言葉になります。
ただ必要以上に多いといったことだけを表現する言葉ではなく、多くなったことにより他に悪影響が出てしまうといった場合に使われる言葉です。
胃酸過多という言葉がありますが、これは胃酸の量が多くなりすぎてしまい、胸焼けを起こしてしまったり胃に痛みを感じてしまったりする症状を引き起こします。
「過多」の例文
・『人口過多により住宅の数が足りなくなってしまう』
・『胃酸過多により、胃痛に悩まされている』
「多少」【たしょう】とは?
「多少」とは、程度が多いか少ないかという意味合いを持っています。
また、少しという意味合いもあります。
この言葉で語っている多いとか少ないというのは、直接的な数量や金額ということではなく、数量や金額の程度の多い少ないという間接的な表現になります。
ですので数量や金額だけでなく、物事の程度というものに対しても使える言葉です。
物事の程度というと分かりにくいかもしれませんが、例えば、損害の多い少ないなどということにも使える言葉です。
はっきりと形のないものに対しても使える言葉ということです。
「多少」の例文
・『損害の多少に関係なく裁判には出廷するつもりだ』
・『討論会は多少なりとも反論があった方が盛り上がる』
「多寡」と「過多」と「多少」の違い
「多寡」と「過多」と「多少」の違いをまとめると次のように説明できます。
「多寡」とは「数量や金額が多いか少ないか」という意味合いで使われています。
「過多」とは「他に悪影響が出るほど数量が多い」といった意味合いの言葉になります。
「多少」とは「程度が多いか少ないか、または、程度が少し」といった意味合いとして使われる言葉です。
まとめ
「多寡」と「過多」と「多少」について、違いや意味を説明してきましたがご理解いただけましたでしょうか。
何に対して使う言葉なのか、どのような場面で使う言葉なのかという点に違いがありました。
この記事の内容を参考に、「多寡」と「過多」と「多少」の違いをしっかりマスターしてください。