男性が正式な女性の配偶者とは異なる女性と関係を持つとき、その女性を示す言葉がいくつかあります。
ここでは、「側室」と「妾」と「愛人」の違いを分かりやすく説明していきます。
「側室」とは?
「側室」(そくしつ)は一夫多妻制が存在していた日本で使われていた言葉です。
天皇家や武家などで、世継ぎを産むために迎えられていた女性を表す言葉です。
ちなみに正式な妻は「正妻」(せいさい)と呼ばれていました。
かつて婚姻は家と家の結びくための大きな「政策」や「戦術」でした。
そのために「正妻」になるのは家柄や、自分の「家」に有利になる血筋が重要視されました。
しかし「側室」は、世継ぎを産むのが役割であるために、「正妻」ほど家柄や血筋は重要視されませんでした。
「側室」の言葉の使い方
「側室」という言葉は、は一夫多妻制が禁止されている現在では使われることがありません。
しかし歴史を扱う小説、映画、ドラマなどでは「側室」は頻繁に登場するので、意味は知っておくべきでしょう。
「妾」とは?
「妾」(めかけ)は、本妻以外ので関係を持っている女性を表す言葉です。
また「妾」と呼ばれる女性は、相手の男性からの支援で生活しているのが一般的です。
そのために「妾」を持つ男性は、経済的に余裕がある人が多いようです。
現在は「妾」がいるとおおっぴらに言う男性は少なくなりましたが、かつては「妾」を持っているのがステータスとばかりに、複数の妾がいると自慢するような人もいました。
またそれほど多くありませんが、女性が配偶者以外の男性と関係を持っている場合、その男性は「男妾」と表現されます。
「妾」の言葉の使い方
「妾」は「お妾さん」と「お」と「さん」をつけて丁寧な言葉で使われることもあります。
「あの人は社長のお妾さんらしい」や「お妾さんに産ませた子供」などは、たまに耳にするかもしれません。
「愛人」とは
「愛人」(あいじん)は、配偶者以外で関係を持っている人を表す言葉です。
「愛」という漢字が使われていますが、必ずしも愛情によって繋がっている関係とは言えません。
その昔「愛人バンク」というのが流行ったことがありました。
配偶者以外と付き合いたい人と、金銭を目当てとした人が出会うのを目的としていました。
「愛人」の言葉の使い方
「愛人」は性別に関係なく使える言葉です。
「夫の愛人」「妻の愛人」など、日常茶飯事で耳にします。
「側室」と「妾」と「愛人」の違い
「側室」と「妾」と「愛人」は、どれも正式な配偶者以外を示す言葉です。
「側室」は女性のみに使われる言葉ですが、「妾」「愛人」は基本的に男女どちらにも使えます。
ただし男の妾には「男妾」という表現があります。
まとめ
「側室」と「妾」と「愛人」で、今でもよく使われているのは「愛人」です。
しかし婚姻率が低下している社会現象を考えると、将来的に「配偶者」を持つ人が少なくなるために、この「愛人」も珍しい存在になるかもしれません。