さまざまなものを作るもととなるものを「原料」や「材料」、「素材」といった言い方をします。
これら三つの言い方にはどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、「原料」と「材料」と「素材」の違いを分かりやすく説明していきます。
「原料」とは?
「原料」とは、製造加工のもとになる材料のことを指します。
そして、製品になった時にもとの形が残っていないことが多いということも特徴です。
元々形のあるものは加工した後でも何かしらの形が残ってしまいますが、化学的な物質であれば加工した後には形が残りません。
ですが化学的な物質以外にも使われることもあります。
「原料」という言葉が重きを置いているのは、形が残っているかということよりも、製造加工の「もとになっている」という点です。
「原料」の例文
・『小麦粉の原料は小麦です』
・『うま味調味料の原料にはサトウキビやトウモロコシなどがあります』
「材料」とは?
「材料」には三つの意味があります。
一つ目は加工して製品にするもとになるもの、二つ目は研究や調査のために取り扱う資料であり判断のもととなるもの、三つ目は取引用語としての意味で相場を上下させる要因となるものです。
ですがここで違いを説明するなら一つ目の意味が重要になってきます。
製品にするもとになるものとしては「原料」と同じような意味ですが、「材料」は「原料」よりも段階的に製品により近づいている状態のことを指します。
「材料」の例文
・『パンを作る材料の一つに小麦粉があります』
・『優秀な人材かどうかをみるのに、プロジェクトの進め方を判断材料にしよう』
・『相場は今停滞していて材料待ちの状態だ』
「素材」とは?
「素材」には三つの意味があります。
一つ目はもととなる材料という意味、二つ目は造材によってできた材種でまだ製材されてないものという意味、三つ目は芸術創作の材料となるものという意味です。
違いを述べるうえでは、一つ目が重要になってきます。
製品のもとになるものとしては、他の二つの言葉と変わりはないですが、「素材」はまだ人の手が加えられていないようなまっさらな状態のことを言います。
「原料」にしても「材料」にしても、切ったり削ったり溶かしたりして粉状にしたり液体状にしたりしています。
その粉状にしたり液体状にしたりする前の段階ということになります。
「素材」の例文
・『素材の味を生かした料理』
・『この旅での出来事を次に描く絵の素材としよう』
「原料」と「材料」と「素材」の違い
「原料」と「材料」と「素材」の違いについて述べましたが、短くまとめると次のようになります。
「原料」は製造加工の「もとになる」もの、「材料」は「加工して製品にする」もの、「素材」は製造加工のもとになる「まっさらな状態」のものであると言えます。
まとめ
細かいニュアンスの違いや段階的な違いが三つの言葉にはあります。
「素材」が「原料」になりそして「材料」になって加工され製品が出来上がるようなイメージです。