「向上心」と「野心」と「野望」
違うようで同じにも感じる言葉ですが、それぞれ使い分けはあるのでしょうか?
この記事では、「向上心」と「野心」と「野望」の意味や違いついて分かりやすく説明していきます。
「向上心(こうじょうしん)」の意味とは?
「向上心」とは、「より高い目標を目指して努力する心」を意味する言葉です。
「向上(こうじょう)」は「より良い方向や優れた状態に向かうこと」や「進歩すること」を意味します。
「向上心」を使った例文
・『何事にも向上心を持って取り組むことが成功につながる』
・『向上心があるかないかで、結果も大きく違ってくる』
・『向上心に欠ける振る舞いが原因で、彼は指摘を受けていた』
「野心(やしん)」の意味とは?
「野心」とは、「密かに抱いている大きな望み」や「分不相応のよくない望み」を指し、後述する「野望」と同じ意味を持ちますが、「新しいことに取り組もうとする気持ち」という意味も含まれます。
また、「野生動物が人に馴れずに歯向かうように、人に服さずに危害を加えようとする心」という意味もあります。
「野心」を使った例文
・『彼は起業して大儲けしたいという野心に燃えていた』
・『野心が垣間見えたことで、この人物は主君から遠ざけられてしまった』
・『すでに定着したイメージを覆すような野心作が発表された』
「野望(やぼう)」の意味とは?
「野望」とは、「分不相応な望み」や「身の程をわきまえない大きな野心」を意味する言葉です。
また、「野あそび」と同じで「山野に出て、遊んだり、会食したりすること」という意味も含まれます。
「野望」を使った例文
・『この人物が抱いていた野望は、後に反乱として体現することになった』
・『悪の組織は世界征服の野望を掲げていることが多い』
・『天気が良かったので、近くの山にて野望した』
「向上心」と「野心」と「野望」の違い
「向上心」はおもに「現状に満足せず、自分を高めるために努力し続ける心」など、比較的ポジティブな言葉として用いられます。
一方、「野望」は「よくない望み」や「悪い企み」などの言い換えとして、比較的ネガティブな言葉として用いられることが多いようです。
字面が似ており、同じ意味を含んでいることから「野心」も「野望」と同じく、「よくない望み」などの言い換えとして、ネガティブな意味合いで用いられることがあります。
しかし、「新しいことへの挑戦心」としてポジティブな意味合いで用いられることもあるようです。
まとめ
・「向上心」とは、「より高い目標を目指して努力する心」を意味する言葉です。
・「野心」とは、「密かに抱いている大きな望み」や「分不相応のよくない望み」、「新しいことに取り組もうとする気持ち」を意味する言葉です。
・「野望」とは、「分不相応な望み」や「身の程をわきまえない大きな野心」、「山野に出て、遊んだり、会食したりすること」を意味する言葉です。