この記事では、「種類」と「種別」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「種類」と「種別」の違い
「種類」と「種別」は非常によく似た言葉で区別が難しいのですが、「種類(しゅるい)」とは「複数のものに共通する特徴・見かけなどによって分類したまとまり」を意味しています。
「種類」と比較して「種別(しゅべつ)」は、「種類を基準として区別すること」という動詞的なニュアンスの意味を持っている違いが挙げられます。
「種類」は「類似した特徴によって区別された一定のまとまり」を指していますが、「種別」は「種類そのものではなく共通要素を持つ種類によって区別すること」を示唆している点が異なっているのです。
「種類」と「種別」の使い方の違い
「種類」は「20種類・80種類・100種類」のように、「数字に直接的に種類を接続するような使い方」をすることができます。
それに対して、「種別」という表現は「20種別・80種別・100種別」といった、「数字+種別の使い方」はしないという分かりやすい違いがあります。
また「種別」は「複数の蛇の種類を種別しました」のように動詞的な使い方をすることが可能ですが、「種類」の表現は「種類する・種類した」のような動詞的な使い方はできない点も異なっています。
「種類」と「種別」の英語表記の違い
「種類」を、英語で表現すると以下になります。
“type”……共通する特徴などで分類したもの、典型的なパターンが類似している型(タイプ)。
種類。
“kind”……英語の日常会話でよく使われる種類を意味する単語です。
“breed”……動物や植物の品種・種類。
「種別」を、英語を使用して表記すると以下になります。
“classification”……共通する要素・形質などの種類に基づいて区別すること。
種別。
“assortment”……ある分類基準・共通要因を前提として種目などを分けること。
種別。
「種類」の意味
「種類(しゅるい)」の言葉は、「一定の基準を前提にして、複数のものに共通する特徴(性質・形態)によって分けたグループ」を意味しています。
「種類」というのは、「類似している要素・外見などを基準にして区分された一定のまとまり」のことを指しているのです。
「種類」の使い方
「種類」は、「複数の事物・動植物などに共通する性質によって分類されたまとまり」の意味合いで使用することができます。
「種類」という表現は「数字+種類」で、ある物事・動植物の集合にどれだけの数のグループがあるのかを指示して使います。
「種類」を使った例文
・『自動車には、スポーツカー・SUV・セダンなどのジャンルに分けられる膨大な種類の車名があります。』
・『オリンピックで実施される予定のスポーツの種類・種目をすべて把握している観客はほとんどいないでしょう。』
・『昆虫の種類は1万種類をはるかに超えていますが、今でも世界各地で新種が多く発見されています。』
・『同じ空を飛ぶ乗り物であっても、航空機とヘリコプターでは種類も操縦方法も違っています。』
・『彼はどんな種類のプログラミング言語でも使いこなすことができる天才ハッカーとして知られていました。』
「種類」の類語
「種類」の類語には、以下の言葉があります。
・『カテゴリー』……ある集合に含まれるものを共通する要素で分けた基本的な分類・区分。種類。
・『種目(しゅもく)』……他と区別するために種類で分けた場合の、一つ一つの項目。
・『タイプ』『型』……典型的な共通の特徴や類似のパターンを持っている対象を類型化したもの。
「種類」の対義語
「種類」というのは「一定の類似度の指標を前提に、類似の特徴・外観などを持っている複数のものが集まったグループ」を意味している言葉であるため、「種類」の対義語は存在しません。
「種別」の意味
「種別(しゅべつ)」とは、「複数の対象物を、共通する形態や性質によって区別すること」を意味している言葉です。
「種別」という表現は、「一定の基準を前提にして、共通する要素・特徴を持っている種類ごとに分けること」といった動詞的な用法のニュアンスを備えているのです。
「種別」の使い方
「種別」の表現は、「種別する」という動詞としての使い方をすることができます。
「種別する」という言い回しは、「類似した特徴・形態を持つ種類ごと・種目ごとに分ける」の意味合いで使われます。
例えば、「用途に応じて建てられた建物を種別する」といった文章で、この言葉を使用することが可能です。
「種別」を使った例文
・『オフロードバイクやレプリカモデル、ネイキッドモデルなどのオートバイの種類を種別していました。』
・『現在は人種問題のポリティカル・コレクト(政治的正しさ)も含め、ヒトの種としての種別は行われなくなりました。』
・『バラやアジサイなどの植物の品種を正しく種別するためには、植物学の専門的な知識が必要になります。』
・『工業製品の種別に対応することができる最新の生産システムの設備投資を予定しています。』
・『類人猿を種別していると、ホモ・サピエンス・サピエンス(現生人類)に外見だけではなく行動原理にも似通った部分が見えてきます。』
「種別」の類語
「種別」の類語には、以下の言葉があります。
・『区別(くべつ)』……あるものと他のものを何かが違うという理由で分けること。あれとこれは異なる種類であると認識して分けること。
・『分類(ぶんるい)』……類似した特徴・性質を備えているものを集めた種類ごとに分けること。
・『カテゴライズ』……事象の基本的な区分であるカテゴリーに分けること。共通要素を持つカテゴリーの定義を行うこと。
「種別」の対義語
「種別」の対義語には、以下の言葉があります。
・『同一視(どういつし)』……多少異なっている部分があるとしても、同一のものであると見なすこと。
・『一括(いっかつ)』……異なる種類のものも含めて、一まとめにしてしまうこと。大きく一つにまとめること。
まとめ
「種類」と「種別」の違いを分かりやすく説明しましたが、いかがだったでしょうか? 「種類」と「種別」の意味・使い方・英語表記の違いや類語・対義語を詳しく調べたい時は、この記事の内容をチェックしてみてください。