この記事では、「請願」と「陳情」と「意見書」の違いを分かりやすく説明していきます。
似た雰囲気がある「請願」と「陳情」、「意見書」という3つの言葉には、どのような意味と違いがあるでしょうか。
「請願」とは?
「請願」は「せいがん」と読みます。
「請願」は、「こいねがうこと。
目上の人などに願い出ること」という意味があります。
また「請願」には、「国民が、国や地方公共団体の機関に対して、損害の救済や、公務員の罷免、法律や規則の制定や改正などに関して、文書で希望を申し出ること」という意味があります。
「請願」の言葉の使い方
会社をクビになってしまった人が、会社に復職できるよう、こいねがう場合は、「会社に復職を請願する」という文章にできます。
また、国民が法律の改正を、国に文書で申し出るという場合は、「国に法律改正の請願をする」などという文章を作ることができます。
「陳情」とは?
「陳情」は「ちんじょう」と読みます。
「陳情」は、「目上の人に、実情や心情を述べること」という意味があります。
特に、「中央や地方の公的機関や政治家などに、実情を訴え、善処するよう要請すること」という意味があります。
「陳情」の言葉の使い方
地方で暮らしている人が、公共交通機関がないこと、道路が整備されていないことを不便に思い、地元出身の国会議員に、実情を述べ、改善を希望する場合は、「地方の不便さを解消するよう、国会議員に陳情する」などという文章を作ることができます。
「意見書」とは?
「意見書」は「いけんしょ」と読みます。
「意見書」は、「ある問題について考えを述べた文書」という意味があります。
「意見書」の言葉の使い方
自然エネルギーの活用のため、ある地域に施設を設置する計画が進んでいるものの、計画を見直した方がいいと考える政治家がいるかもしれません。
この政治家が大臣に考えを文書で述べる場合、「自然エネルギー活用計画の見直しについての意見書を、大臣に提出する」などという文章にできます。
「請願」と「陳情」と「意見書」の違い
「請願」と「陳情」と「意見書」は、「お願い」に関する意味のある言葉という、共通点があります。
ただし、「請願」は、「国民が、国などに文書で希望を申し出ること」を意味するのに対して、「陳情」は「政治家などに善処を求めること」を意味するという違いがあります。
さらに「意見書」は、お願いではなく「意見を述べる文書」という意味の違いがあります。
このように、文書で国にお願いをする場合は「請願」という言葉を使い、意見する場合は「意見書」という言葉を使い、政治家などに善処を願う場合は、「陳情」という言葉を使うようにしましょう。
まとめ
「請願」と「陳情」と「意見書」の違いについて見てきました。
3つの言葉には明確な意味の違いがありました。
3つの言葉の意味の違いを知ることで、きちんと使い分けることができるようになりそうです。