この記事では、「進歩」と「進捗」と「進度」の違いを分かりやすく説明していきます。
「進歩」とは?
進歩とは進んでいくこと、物事が良い方向に進んでいく様子や、徐々に発達していくことを指します。
「ロケットの進歩」「農業技術の進歩」などの使い方があり、記録が更新されていくという例えでは「スポーツ記録の進歩」という使い方も出来ます。
悪い例えには使われないため、「森林破壊の進歩」という言葉は間違った使い方です。
ただし「文明の進歩の反面、公害が広がっている」などのように良い部分もあるけれど悪いことも起きたという場合には進歩という言葉を使うことが出来ます。
結果の過去未来を指して進歩というケースが一般的で、「1980年の車と比べて2020年の車は進歩した」のように時間や対象物が含まれる言葉で、「新幹線の進歩」と過去を対象に挙げなくても過去は比較に含まれていると言えます。
「進捗」とは?
仕事など物事がはかどる様子を指した言葉で、良いペースで進んでいるという意味合いも含まれていますが、「進捗状況」という言葉になると進み具合全般を指す言葉になり、停滞していた場合でも進捗状況となり、若干意味合いの異なる使われ方となっています。
意味自体も「物事がどこまで進んでいるのか」となり、はかどっている必要がなくなります。
「進捗しました」という表現では状況が好転した、良い方に進んだというとり方が出来ます。
なお、進捗の対義語は「停滞」です。
「進度」とは?
仕事など物事の進み方の程度を指す言葉で、早い場合も遅い場合もあります。
「進度を尋ねる」という使い方はありますが「進度」単体ではネガティブな意味もポジティブな意味にも考えられるため「良好な進度」など善悪など状況を伝える言葉をつけて使うことが一般的です。
度合いを表すこともあることから対義語は存在しません。
「学習の進度」「仕事の進度」「工事の進度」などの使い方があります。
「進歩」と「進捗」と「進度」の違い
「進歩」は良い方向(社会的もしくは自分にとってなど広い観点で)に進むことを指しており、速度が早い場合は早い進歩などの言葉になります。
過去に対しての現在または未来を指して進歩ということが多くなります。
「進捗」は仕事や物事のはかどり方を指す言葉で現状を指す言葉で、言葉単体ではスムーズに進んでいるといういい意味が含まれています。
どちらかと言うと時間や手間に対する意味なところが進歩との違いです。
「進度」は物事の進み方の程度を表す言葉で、良い進度であれば進捗と言い換えることも出来ます。
この言葉のみ単体ではいい意味も悪い意味もないため、「良い進度」など状況を表す言葉を追加して使います。
まとめ
「進歩」と「進捗」と「進度」では、「技術の進歩」など最も広い観点で使うのが進歩ですが、個人記録の進歩、など個人でも使えます。
進捗は作業のはかどりを指す意味から、使われる範囲は工事の作業員全体など企業あたりにとどまり、個人からでも使うことも出来ます。
進度は物事の進み具合を指す言葉で、物事(作業など)そのものに関わる人が使うことの多い言葉と言えるでしょう。