この記事では、「切る」と「斬る」と「伐る」の違いを分かりやすく説明していきます。
似ている言葉を使い分けていきましょう。
「切る」とは?
切る(きる)とは、ハサミや包丁で野菜を細かくすること。
剪定バサミで、木の枝をカットすることです。
大きな物を、短くすること。
道具をつかって、より小さくするのが「切る」です。
「電源をオフにする」という訳もあるため、日常では頻繁に用いられています。
もともと「切る」には鋭利な刃物で断つという意味があります。
そのためひと続きになっている物を、2つに分けることを「切る」といいます。
このほか「切る」は色々なことわざで用いられています。
たとえば「風を切る」というと、勢いよく前に進むこと。
そして「口火を切る」というと、話を始める様子をあらわします。
「たんかを切る」だと、まくし立てるさまです。
色々な訳のある、柔軟な言葉です。
「斬る」とは?
斬る(きる)とは、カッターや剣で相手をたおすこと。
または手術で、肉体にメスを入れることです。
もともと「斬る」は木材を加工する際につかわれていた言葉です。
機械をつかって大きな木を細かく砕き、薪をつくる様子から「斬る」という漢字が生まれました。
そのため時代劇で武士が殺し合いをするとき、サスペンスで犯罪者が人をあやめるとき「斬る」といいます。
また「斬る」には「批評する」という訳もあります。
「大御所が斬る」や「日本経済を斬る」などと使います。
鋭く切りつけるという意味が含まれています。
「伐る」とは
伐る(きる)とは、木を切り倒すこと。
チェーンソーや斧を使って、木をなぎ倒すことです。
森林組合で使われている、材木にまつわる用語です。
もともと「伐る」という漢字は、敵を倒すという訳から生まれた言葉です。
その後、山の景観を整え木材を得るために木を伐採することを「伐る」というようになりました。
おもに森や山など、自然ゆたかな場所でつかわれています。
「切る」と「斬る」と「伐る」の違い
いずれも「きる」と読めるので、使い分けが難しく思えます。
「切る」と「斬る」と「伐る」のうち、もっともポピュラーな言葉は「切る」です。
髪の毛を切る、布を切る、折り紙を切るのように、ハサミを使ってカットする作業を「切る」と呼んでいます。
「斬る」は日本刀などの武器を使って、立ち回りをおこなう際につかわれています。
戦国時代や江戸時代の斬り合いで用いられる、火花飛び散る言葉です。
また斬るには「分析する・精査する」という訳もあります。
そして「伐る」は大きな木を切り倒す様子をあらわしています。
整理すると「切る」はハサミで切ること「斬る」は肉体を傷つけること「斬る」は木材を倒すことです。
まとめ
「切る」と「斬る」と「伐る」の違いを分かりやすくお伝えしました。
いずれも「きる」とあらわします。
「切る」はハサミや包丁を使い、細かくすること。
「斬る」は、日本刀で立ち回りをおこなうこと。
「伐る」は材木をなぎ倒す動作です。
使い分けていきましょう。