この記事では、「横柄」と「傲慢」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「横柄」と「傲慢」の違い
態度や行動を示しているのか、人の考え方や内面、性格を示しているのかという違いがある、「横柄」と「傲慢」。
両者の意味において、言っている内容は、大きな違いはありません。
性格や態度の両方に用いることができるのか、態度にしか用いることができないのか、この点について「横柄」と「傲慢」の大きな違いが生じます。
「横柄」と「傲慢」の使い方の違い
「横柄」は、人の態度などを表す際に用いる。
「傲慢」は、性格や考え方を表す際に用いる。
そのため、使い方にも違いがあります。
「横柄」は、「横柄な客」、「横柄な態度」など人の行動、態度などを表す際に用いる一方、「傲慢」は、「傲慢な人」などといった使い方をします。
「横柄」と「傲慢」の英語表記の違い
「横柄」の英語は、(横柄な)arrogant、(偉そうな)bossy、(大きな態度)a big attitudeなどとなります。
(横柄な)arrogantは日常的にも使用されることが多く、「彼は横柄だ」の場合、He is so arrogant. と表します。
(偉そうな)bossyの場合、口語となり文章として使用されることはありません。
「傲慢」の英語は、(傲慢な、横柄な) arrogant、(傲慢な) haughtyなどとなります。
「傲慢な態度をとる」は、act haughtilyやtake [【形式ばった表現】 assume] an overbearing attitude. と表します。
「横柄」の意味
「横柄」は、偉そうで威張った態度やその様子を意味します。
人を見下すような態度も含まれ、「横柄」の「横」は勝手気まま。
「柄」は性格、性質といった意味があり、両者を組み合わせて、「勝手気ままな性格」という意味となります。
人に対し用いる言葉となり、その人の行動や態度に対して使用する言葉となります。
「横柄」の使い方
「横柄」は基本的に態度に対し使用する言葉で性格に対しては使用することはありません。
「横柄な態度」、「横柄な客」、「横柄な人」などが主な使い方です。
周りを見下し偉そうな態度をとる人に対して、「横柄な態度」のほか、店員の態度があまりにも和すかった場合は「横柄な店員」や反対に偉そうな態度をとるお客様に対して用いる場合は、「横柄な客」という使い方も行います。
「横柄」を使った例文
・『患者に対し横柄な態度をとる医者は嫌いだ。』
・『横で店員に横柄な態度をとる客がいて不愉快になった。』
・『また、いつもの横柄な客がやってきた。』
・『自分がミスしたにも関わらず謝罪しないなんて、横柄な奴だ!』
「横柄」の類語
「横柄」の類語は、勝手気まままで乱暴なことを意味する「横暴(おうぼう)」。
偉そうな態度で人を見下す意味となる「傲然(ごうぜん)」、威張っていて偉そうな態度を意味する「尊大(そんだい)」。
このほかにも、相手を威嚇するような態度を意味する「高飛車(たかびしゃ)」、自分の思い通りに行動する人を指す「ワンマン」などがあります。
「横柄」の対義語
「横柄」の対義語には、素直な気持ちで人と接すること、様子を意味する「謙虚(けんきょ)」。
へりくだったり、控えめな様子を意味する「謙抑(けんよく)」、行動や言葉が控えめな「遠慮(えんりょ)」などがあります。
「傲慢」の意味
「傲慢」は、思い上がって偉そうな態度をとる、人を下に見る様子、また、見下す様子を意味する言葉となります。
「傲慢」の「傲」には、偉そうにするといった意味があり、「慢」には、人を見下す態度をとるといった意味があります。
それらの漢字が組み合わさり、自分自身の行動や言動に過度な自信を持ち、人を下に見る、見下す、軽視するといった意味となります。
「傲慢」の使い方
「傲慢」は、どんなことに対しても自分の考えがいつでも正しいと思っているとき、思いあがっているときに使用する言葉となります。
人の意見に耳を傾けない傲慢な人や人のことを見下し自分の方が優れているかのような行動を意味する、「傲慢無礼(ぶれい)」や「傲慢不遜(ふそん)」といった言葉もあります。
「傲慢」を使った例文
・『絶対に傲慢な人だけにはなりたくない。』
・『傲慢な態度だから、人から嫌われていることに気付くべきです。』
・『上司は相手が例え部下でも、傲慢な態度をとってはならない。』
・『助言に耳を傾けないとは、なんて傲慢だ!』
「傲慢」の類語
「傲慢」の類語は、自分自身に自惚れ、人を見下すような意味を持つ「高慢(こうまん)」や偉そうにするさまを意味する「倨傲(きょごう)」などがあります。
「傲慢」の対義語
「傲慢」の対義語としては、控えめな人を指す「謙虚」があります。
まとめ
これらが、「横柄」と「傲慢」の違いとなります。
同じような意味でも、少しニュアンスが異なるため使い分けが必要です。