「遠慮」と「配慮」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「遠慮」と「配慮」の違い生活・教育

この記事では、「遠慮」「配慮」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「遠慮」と「配慮」の違い

「遠慮」「配慮」においての違いは、誰のために行うことなのか?となります。

「遠慮」の場合、自分に対して。

そして、「配慮」の場合は、相手に対して行います。

「遠慮」は、自分自身を守るため行動を慎みます。

相手に対し控えめな行動をとることを意味しますが、その奥には自分自身を守るため、自己保身のためという気持ちが強くなります。

一方、「配慮」の場合、相手のことを第一に考え行う行動となります。

相手や物事に対し気をかける、注意するということになり、自分自身のためではなく、あくまでも、相手のために行動することになります。

同じような場面で用いられることの多い「遠慮」「配慮」ですが、誰に対するものなのかという点において大きな違いがあります。


「遠慮」と「配慮」の使い方の違い

相手に対し、控えめな態度や行動を行う際に用いることになる「遠慮」

相手に対し、気にかけること、注意すること際に用いることになる「配慮」

そのため、使い方の違いとしては、自分のための行為、行動ならば「遠慮」

人のための行為、行動ならば「配慮」となります。

また、有名な名言として星野仙一監督の言葉があります。

それは、「配慮はするが、遠慮はしない」です。

これは、実績ある選手や助っ人選手に対し、敬意を示しつつも言うべきことは言うといった星野監督の考えです。

「配慮はするが、遠慮はしない」

このような使い方もできる、「遠慮」「配慮」となります。


「遠慮」と「配慮」の英語表記の違い

「遠慮」は英語で、modesty; reservationです。

「遠慮する」は、〈打ちとけない〉 be reserved、〈隠し立てする〉 hold something back 《from somebody》、〈固苦しくする〉 stand on ceremony、〈ためらう〉 hesitate 《over, about, to do》、〈人の気持ちを思い遣る〉 respect [spare] somebody’s feelings、〈抑制する〉 hold back 《from doing》、〈辞退する〉 refuseなど時と場合によって使い分けられます。

「配慮」は英語で、consideration; careです。

「配慮する」は、〈考慮する〉 consider; take something into consideration.

〈手配する〉 make arrangements 《for》; see (to it) 《that…》、〈尽力する〉 take the trouble 《to do》など時と場合によって使い分けられます。

「遠慮」の意味

「遠慮」は、相手に対し控えめな行動をとること、状況判断によって辞退すること、やめること。

また、遠回しに断るといった意味もあります。

「遠慮」は、「遠く」という漢字と「あれこれと考える」といった意味を持つ漢字で形成されています。

このことからも、相手に対しあれこれと考えた結果、自分の気持ちを抑えふるまうといった意味が考えられます。

「遠慮」の使い方

「遠慮」の使い方には、「遠慮する」をはじめ、「遠慮がち」「遠慮深い」「ご遠慮ください」「深謀遠慮」などがあります。

控えめな行動をする場合に用いるほか、ビジネス用語としても用いることが多い「遠慮」

誘いを断る場合は、「遠慮させていただきます」となり、相手に対しお願いする場合には、「ご遠慮ください」といった使い方を行います。

「遠慮」を使った例文

・『周りに遠慮せずに自分の意見を言うべきです。』
・『何かございましたら、遠慮なさらずお伝えください。』
・『この場所での喫煙はご遠慮ください。』
・『遠慮せずに食べてください。』

「遠慮」の類語

「遠慮」の類語には、礼儀正しいことを意味する、恭謙、謙遜、孫譲、慎み、謙虚さ、遜恭、嗜み、謙譲など。

不本意である意味となる、蹴っ飛ばす、蹴飛ばす、否む、撥ねつける、振付ける、断るなどがあります。

「遠慮」の対義語

「遠慮」の対義語としては、「遠慮します」の場合、「頂きます」

「遠慮勝ち」の場合、「無遠慮」となります。

「配慮」の意味

「配慮」は、心遣い、心配りといった意味を持ち、相手のことを思い気にかけ、行動する、注意するといった意味を持ちます。

「配慮」「配」は、「くばる」といった意味を持ちます。

そして、「慮」は、「あれこれと考える」といった意味を持つことからも、相手に対し気を配るといった意味となります。

「配慮」の使い方

「配慮」の使い方には、「配慮する」をはじめ、「配慮が足りない」「配慮に欠ける」などがあります。

相手に対し注意してほしい時は、「ご配慮願います」「ご配慮お願いいたします」などと使用し、相手が自分に対して行ってくれた気遣いに対しては、「ご配慮いただきありがとうございます」などと使用します。

「配慮」を使った例文

・『この度は、私の健康についてご配慮いただきありがとうございます。』
・『あなたの今回の行為は、少し配慮に欠ける。』
・『友人に対し配慮が足りなかったと反省する。』
・『ゲストに対し配慮しなければならない点を考えておく。』

「配慮」の類語

「配慮」の類語には、注意を払う意味となる、気配り、考慮、配意、顧慮、心遣い、関心、留意。

人に対する思いやりを意味する、気づかい、恩情、気配り、思遣り、深切、厚意などがあります。

「配慮」の対義語

「配慮」の対義語としては、明確なものはないものの、「無遠慮」「無神経」などが当てはまります。

まとめ

以上が「遠慮」「配慮」の違いです。

使い方に迷った際は、誰に対する行為なのかを踏まえ考えるとわかりやすいかと思われます。