この記事では、「援助」と「補助」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「援助」と「補助」の違い
「援助」とは、困っている人を助けることです。
「補助」とは、不足しているところを補い助けることです。
どちらの言葉にも「助ける」という意味が含まれていますが、どういった人や状態を助けるのか、どのように助けるのかという点で意味が異なります。
助ける対象については、「援助」の場合は困っている人、「補助」の場合は不足しているところがある場合です。
助け方は、「援助」は助けるために物や金を与え、「補助」の場合は物や金で助ける場合もあれば、実際に行動をして助ける場合もあります。
「援助」と「補助」の使い方の違い
困っている人を助けることには「援助」を使用します。
地震にあうと、家が倒壊してしまったり、避難所生活を余儀なくされたりすることがあります。
こういった状態は、困ったことといえそうです。
そのときに、物や金を与えて助けることが「援助」になります。
不足する部分を補って助けることには「補助」を使用します。
介護施設では、職員が入居者に対して食事の手伝いをすることがあります。
自分一人の力だけでは、食事をすることが難しいためです。
自分一人では力が足りない、そこに手助けをする、このようなことに「補助」という言葉を使用します。
「援助」と「補助」の英語表記の違い
「援助」は英語で“assistance”や“aid”や“support”と表記をします。
「補助」は英語で“assistance”や“aid”や“help”と表記をします。
「援助」の意味
「援助」には、困っている人を助けるという意味があります。
「援助」が意味する助け方は、物や金を与える方法です。
「政府開発援助」とは、開発途上国の発展を主な目的とする政府や政府関連機関が行う国際的な援助のための公的資金のことです。
これは公的資金や技術提供で手助けをしています。
つまり、物や金です。
このように、物や金で困っている人を助けることが「援助」です。
「援助」の使い方
困っている人を助けること、特に物や金で助けることを指して「援助」という言葉を使用します。
道で倒れている人がいて、困っているようなので手を貸して助け起こしてあげました。
これは力を貸して助けている方法なので、「援助」ではありません。
親元から離れて一人暮らしをしている大学生がいます。
親から資金をもらっており、その資金があるからこそ安定した生活を送ることができています。
この場合は、親から資金面での手助けがあります。
金による助けなので「援助」という言葉を使用することができます。
「援助」を使った例文
・『援助を得られるように働きかける』
・『資金面で援助をしてもらう』
・『多くの人々に援助を呼びかけた』
・『彼はさまざまな援助を惜しまなかった』
「援助」の類語
「支援」「応援」「後援」が類語です。
「支援」は、間接的なやり方または実際行動をして助けることです。
「応援」には、間接的なやり方または実際行動をして手助けするという意味と、試合などで選手やチームに声援を送って励ますことという意味があります。
「後援」は、仕事や企画などの後ろ盾となって助けることです。
「援助」の対義語
対義語はありません。
「補助」の意味
「補助」とは、不足しているところを補って助けること、またその助けとなるもののことです。
自転車に乗ったことがない人は、前と後ろ、あわせて2つのタイヤしかない自転車にうまく乗ることができません。
そこで、後ろのタイヤに補助輪というものを取り付けます。
一人の力ではうまくバランスをとることができないため、それを補って助ける役割をしています。
補助輪を外して自転車に乗れるようにするために、自転車の後ろを誰かに支えてもらうことがあります。
これも一人の力では足りないところを補っています。
このような不足しているところを補って助けること、また助けとなるものが「補助」です。
「補助」の使い方
助けることに使用をします。
助けるといっても、おせっかいで助ける、困っていて助ける、不足を補うために助けるなど、いろいろとありますが、「補助」は不足しているところを補う助けです。
「補助」を使った例文
・『食事を補助するサービスを行っている』
・『栄養を補助するための食品』
・『国から補助をしてもらう』
・『ロボットだけでは不十分で、人の手による補助が必要』
「補助」の類語
「手助け」が類語です。
仕事などを助けること、手伝うことという意味があります。
「補助」の対義語
「自立」が対義語になります。
他の人からの支援や手助けを受けずに存在することとい意味があります。
まとめ
どちらの言葉にも助けるという意味が含まれていますが、どのようなことを助けるのか、どのように助けるのかという点で違いがあります。