「兆候」と「徴候」の違いとは?分かりやすく解釈

「兆候」と「徴候」の違い生活・教育

この記事では、「兆候」「徴候」の違いを分かりやすく説明していきます。

「兆候」とは?

「兆候」は、「ちょうこう」と読み、「兆」+「候」の組み合わせで出来ています。

「兆」についてですが、古代の占いにおいて、亀の甲羅を焼くと割れ目が出来て、その割れ目の形を「兆」と呼んだのが語源と言われています。

その「兆」から未来を予見したことから、「兆」は、「まえぶれ、きざし」といった意味になったそうです。

「候」については、いくつか意味合いがある中で、「~の様子、待つ、時」といったニュアンスが該当します。

つまり、「兆候」は、「きざし、まえぶれ、これから先の様子」といった意味合いになります。


「徴候」とは?

「徴候」は、「ちょうこう」と読み、「徴」+「候」の組み合わせで出来ています。

「徴」については、「しるし、証拠、物事が起こるまえぶれ」といった意味合いがあります。

特に、「見えなかったものがその存在を表してくる」といったニュアンスがあります。

「候」については、「~の様子、きざし」といった意味合いになります。


「兆候」と「徴候」の違い

「兆候」は、占いに関する要素が語源でもあることから、「この先で起こりそうな事柄を予見する」、あるいは、「そういった傾向になる気配が感じられる」といった場面で使われる言葉です。

対して、「徴候」は、「今まで見えなかったものが、徐々に見えるようになってくること」、あるいは、「その物事があるというしるしが分かること」という場合に使う言葉です。

「兆候」の例文

「兆候」を使った例文から、使い方や注意点を見ていきましょう。

「景気回復の兆候がある」
「景気」は、経済活動の動向を指す言葉ですが、「風景」「気配」といった言葉の文字が含まれることから、「その場の雰囲気や様子」というニュアンスが感じられます。

ですから、「これから経済が良い方向に向かう気配や雰囲気が感じられる」という場面で「景気回復の兆候がある」と述べることが出来ます。

「赤道付近の沖合に台風発生の兆候があります」
「今後、台風に発達するきざしがある」という場面でよく使われています。

この先の天気がどのように変化していくのかは、私たちの暮らしに影響を与えますので、天気や季節に関する話題では、「兆候、きざし」といった言葉を耳にします。

「春のきざしが感じられます」なども良く聞くフレーズです。

「徴候」の例文

「徴候」を使った例文から、使い方や注意点を見ていきましょう。

「最近、父の白髪が増えた。

老化の徴候だろうか」

「老化」の症状は様々ですが、白髪もそのうちのひとつかも知れません。

「老化のしるし」といったニュアンスにおいては、「徴候」の文字が相応しいと言えます。

「やはり、パソコンの調子が悪かったのは故障の徴候だったのだろう」
段々と調子が悪くなり、動きが遅くなる傾向がありました。

「なんだか怪しいな、この動作はまさか」とパソコンの症状に心配していましたが、それが故障の徴候だったようです。

「ここの調子が悪いですよ」と、パソコンも喋ってくれればいいのに。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

「兆候」「徴候」は、微妙なニュアンスに差がありますが、「この先に起こりそうな予感、気配、動き」といった意味合いがあることが分かります。

言葉や文字の語源からルーツを探ることで、本来の文字の働きを理解することが出来ます。

ぜひ参考になさってください。