この記事では、「致しかねます」と「出来かねます」の違いを分かりやすく説明していきます。
「致しかねます」とは?
することができないという意味です。
「致し」は「いたす」のことで、「する」の謙譲語です。
自分側の動作を低めて表現したり、改まった気持ちでいったりすることで、相手を敬う意を表します。
「かねます」は「かねる」に「ます」をつなげた言葉です。
「かねる」は動詞の連用形について用いた場合、~しようとしてできない、~することが難しいという意味になります。
「ます」は相手に敬意を表す語です。
こういったことから、この言葉は~することができないという意味になります。
「致しかねます」の使い方
何かをしようとしても、それが難しくてできない場合に用いる言葉です。
ある動作や行為をやることができないことをいいます。
たとえば、お客様が返品を希望してきたとします。
この店では返品期間を1週間としているのですが、製品が購入されたのは1週間以上前です。
そのため、お客様理由の場合は、どうしてもそれはすることができません。
こういったときに用います。
「出来かねます」とは?
それをすることは可能ではないという意味です。
「出来」は「できる」のことです。
それをする能力や可能性がある、新しく物事が生じるという意味があります。
たとえば「料理ができる」という場合は、料理をする能力があることを表します。
「かねます」は「かねる」に「ます」をつなげた言葉です。
「出来かねます」の使い方
何かをしようとしても、それをすることができない場合に用いる言葉です。
能力や可能性がなくてできない場合や、難しくてできない場合をいいます。
しかし「かねる」に「~できない」という意味が含まれているため、「出来」と同時に使うと同じような意味の言葉を重ねていることになります。
たとえば「納得出来かねます」という場合は、「納得しかねます」とすればよいです。
「致しかねます」と「出来かねます」の違い
2つの言葉の意味に大きな違いはありません。
どちらも、それをすることが難しくてできないという意味になります。
後者の場合は、能力がなくてできないという意味もあります。
また、どちらかの言葉で置き換えることもできます。
しかし「出来」と「かねる」を同時に使用すると同じような意味を重ねることになるので、「致しかねます」とするのがよいでしょう。
「いたす」は「する」の謙譲語なので、こちらの方が丁寧な表現です。
「致しかねます」の例文
・『お答え致しかねます』
・『補償は致しかねます』
・『対応致しかねます』
・『回答は致しかねます』
「出来かねます」の例文
・『お答え出来かねます』
・『再登録は出来かねます』
・『回答出来かねます』
・『賛成できかねます』
まとめ
2つの言葉の意味に大きな違いはなく、使われ方にも大きな違いはありません。
どちらかの言葉で置き換えられることもあります。