「青息吐息」と「虫の息」の違いとは?分かりやすく解釈

「青息吐息」と「虫の息」の違い生活・教育

大まかな意味では同じでも、本来の意味は少し異なる「青息吐息」「虫の息」

この記事では、「青息吐息」「虫の息」の違いを分かりやすく説明していきます。

「青息吐息」とは?

「吐息」とは、落ち込んだ時や緊張がゆるんだ時などに思わず出る息が「吐息」です。

ため息とも言われ、そんな「吐息」を用いた「青息吐息」の意味は、困った時や苦しいときなどに発する元気のないため息となります。

悩み事などがあり心労があるとき、苦労があるとき、など、精神的に弱っている状態、悩み事が多い状態、元気がない状態などを表現する際に「青息吐息」という言葉が適しています。

言い換えれば、四苦八苦している状態や苦難の状態などと同じです。


「青息吐息」の使い方

「青息吐息」は、「青息吐息です」といった形で、そのまま用いられるほか、「青息吐息の生活」「青息吐息で働く」「青息吐息と吐く」「青息吐息をつく」などといった形でも用いられます。


「虫の息」とは?

非常に弱い呼吸を意味する「虫の息」

弱りはてた状態で、今にも絶えてしまいそうな呼吸を「虫の息」と言います。

今にも息が止まりそうで弱々しい、そんな状態が「虫の息」で、命の危機、そのものを表す言葉となります。

言い換えれば、死にそうや死にかけ、危篤、死ぬ瀬戸際、などとなり、このような言葉からもわかるように、あまり、良い意味の言葉ではありません。

「虫の息」の使い方

「虫の息」は、「虫の息です」といった形で、そのまま用いられるほか、「虫の息らしい」「虫の息で運び出される」などといった形でも用いられます。

「青息吐息」と「虫の息」の違い

同じ弱々しい息を意味する言葉ですが、その内容には大きな違いがあります。

「青息吐息」は、困っている時や苦しい時などを意味し、精神的に弱っていることを意味する言葉です。

それに対し、「虫の息」は、精神的なものではなく、肉体的に弱っている状態を意味し、生死に係る、そんな重要な場面で用いられる言葉となります。

「青息吐息」の例文

・『上司に無理難題を押し付けられ、青息吐息です』
・『いじめ続けられてきた私にとって、毎日、学校に登校することは青息吐息でしかなかった』
・『青息吐息状態でも、潰れずに経営し続けることができるだけでも良しとしよう』
・『不況が続き、町工場はどこも青息吐息です』

「虫の息」の例文

・『あれほど、元気だった父が病状の悪化により虫の息が続いています』
・『虫の息で救出された被害者が無事に元気に退院することができて嬉しい』
・『虫の息に弱った愛犬を抱え、動物病院に駆けこんだ』
・『無事に救出することができたものの、被害に遭った人たちはみな、虫の息が残る程度だった』

まとめ

「青息吐息」とは異なり、「虫の息」は生死に係る言葉となります。

そのため、「虫の息」を安易に用いてはいけません。

それだけ、重要な言葉だということを知ったうえで用いる必要があります。