この記事では、「産地」と「生産地」と「原産地」の違いを分かりやすく説明していきます。
「産地」とは?
物品を産出する土地のことです。
主に農作物や水産物に対して使われることが多い言葉です。
「産地」という言葉が使われている熟語として“生産地”や“主力産地”などその他にも多くの言葉があります。
「生産地」とは?
食品や製品が生み出される場所のことです。
自動車や船などの機械工業製品の場合は「産地」ではなく「生産地」という言葉が使われます。
「原産地」とは
原料や製品が作り出された場所という意味の他にも、動植物のもともとの生息地や製品が最初に作り出された所という意味でも使用されます。
食品表示においては「原産地」は原料自体の産出された場所を指します。
つまり、中国で作られた唐辛子が韓国で加工された場合、「原産地」は中国です。
また韓国を「原産国」と表示します。
また畜産物においての「原産地」表示は国産か輸入(国名)かで表示しています。
国産の場合は都道府県まで表示する義務はありません。
国産の場合は、“国産牛肉”や“鶏肉(国内産)”などのように表示します。
輸入の場合は“アメリカ産牛肉”や“鶏肉(タイ産)”のように表示します。
また畜産物においては、飼育場所が国を超えて変わる場合もあります。
その場合は一番長い飼育期間があった場所を「原産地」とします。
また、国内の地名が入っている銘柄の食肉は国産の表記を省くことができます。
“神戸牛”がその例です。
「産地」と「生産地」と「原産地」の違い
「産地」と「生産地」は多くの場合、意味や使用方法が同じです。
「産地」においてはその土地柄に定着しているようなイメージが強く、おみやげなどに表記される場合に「産地」と表現されることが多いです。
また「生産地」はもちろん原料を示すこともありますが、加工されている商品であったり、機械製品などに多く使用される言葉です。
しかし、機械製品などにも産地という言葉が使用される例もあり、しっかりした線引きはありません。
つまり、二つの言葉でどちらの言葉を使っても違和感もなく、間違いでもないです。
「原産地」という言葉は食品表示法において原料原産地表示制度というものがあり、原産地という言葉の使い方が商品表示においては細かく決められています。
ですので、日常的に使う場合は「産地」や「生産地」と同じような感覚で使っても間違いではありませんが、食品表示においてはしっかりとこの言葉の意味を理解する必要があります。
まとめ
今回は普段よく耳にする言葉でしたが、違いや意味となると少し難しい内容でした。
どの言葉も、“もともと作られた場所”という意味ですが現代では輸送や輸入出が頻繁に行われ、製品が出来上がるまでにいろいろな場所をめぐることも珍しくありません。
近い将来、これらの言葉をもう少し分かりやすく言い分けられる言葉が出てくるかもしれません。