この記事では、「最短」と「最速」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「最短」と「最速」の違い
「最短」とは、もっともみじかいことです。
「最速」とは、もっともはやいことです。
「最短」は距離や時間のことを意味しており、「最速」は速度のことを意味している点に違いがあります。
「短い」には、端と端の隔たりが小さい、ある時点までの間隔が小さいという意味があるので、「最短」は距離や時間を意味していることになります。
「速い」には、動作や進行が素早いという意味があるので、「最速」は速度を意味していることになります。
「最短」と「最速」の使い方の違い
距離が短いこと、時間が短いことに「最短」を使用します。
速度が素早いことには「最速」を使用します。
通信販売で商品を注文しました。
お届けまでに通常は5日かかりますが、明日お届けオプションを使用すれば翌日には届けてくれます。
これは、お届けまでの時間が短いとも、お届けまでの作業が素早いともいえますが、この場合は「最短」を使用して、「最短でお届け」のようにいいます。
5日、明日などは時間のことなので「最短」になるのです。
「最短」と「最速」の英語表記の違い
「最短」は英語で“the shortest”と表現をします。
「最速」は英語で“The fastest”と表現をします。
“the ~est”は最上級の表現の形です。
「最短」の意味
「最短」とは、もっともみじかいことです。
「もっとも」には一番という意味があり、「みじかい」には端と端の隔たりが小さい、ある時点からの間隔が小さいという意味があります。
つまり、「最短」は一番距離が短いこと、一番時間が短いことという意味になります。
一番を決めるには、複数のものがある必要があります。
一人で短距離走をしても、比べる人がいないので一番も何もありません。
数人で短距離走をすれば、その中で一番の人が出てきます。
そのため、「最短」は複数のものを比べて、その中でも短いということができます。
たとえば、エステサロンの脱毛は1~2か月ほどの間隔を空けて施術を受けるのが一般的です。
しかし、中には2週間に1回施術を受けられるエステサロンもあります。
1~2か月に1回のペースで施術を受けるエステサロンと、2週間に1回のペースで施術を受けるエステサロンを比べると、後者の方が間隔が短いです。
他と比べて短いので「最短」といえ、「最短2週間で施術可能」のような表現がされます。
「最短」の使い方
もっとも短いことを指して使用されます。
A地点にまで行く道がいくつかあり、A地点までたどり着くまでのそれぞれの距離は違います。
複数ある中でもっとも距離が短いものを「最短ルート」といいます。
「最短」を使った例文
・『クリーニング最短○日で仕上げ』
・『A市とB市を最短で結ぶ道路が完成した』
・『最短3日でお届けをします』
・『怪我からの復帰は最短10日と予想される』
・『最短ルートを使って出かける』
「最短」の類語
距離が短い意味では「短距離」、時間が短い意味では「短時間」が類語になります。
「最短」の対義語
「最長」が対義語です。
もっともながいという意味があります。
「最速」の意味
「最速」とは、もっともはやいことです。
「速い」には、動作や進行がすみやかという意味があります。
同じ読みでも「早い」となると意味が違い、ある時点から時間があまりすぎていない、まだその時期ではないという意味になります。
「最速」には「速」の漢字が使用されているので、動作や進行などがすみやか、つまりスピードがはやい意味です。
「もっとも」なので、いくつかある中で一番はやいという意味になります。
短距離走では、これまで記録がとられた中でもっとも速い記録というものが残っています。
その記録を持っている人のことを「最速ランナー」ということがあります。
ランナーは何人もいます。
その中でもっとも速く走ることができるランナーだからです。
「最速」の使い方
もっとも速いことに使用をします。
距離や時間のことではなく、スピードのことです。
スピードとは、物事が進む速さのことです。
自動車には速度メーターがついています。
自動車の移動速度を表すもので、数値が小さいほど遅く、数値が大きくなるほど速くなります。
これをイメージすると、スピードの意味がわかると思います。
「最速」を使った例文
・『ピッチャーが自己最速の記録を出した』
・『史上最速の記録』
・『最速でデビューを果たすことになった』
・『最速記録を持つランナー』
・『最速の記録を出した飛行機』
「最速」の類語
「速い」が類語です。
「最速」の対義語
「遅い」が対義語です。
まとめ
どちらの言葉も、もっともという点では意味が共通していますが、もっとも短いことなのか、もっとも速いことなのかという点で、意味が違います。