この記事では、「無意識」と「潜在意識」と「無自覚」の違いを分かりやすく説明していきます。
「無意識」とは?
「無意識(むいしき)」とは、「意識の対義語」として用いられるS. フロイトが創始した精神分析の用語です。
「無意識」の言葉は、「意識領域に思い浮かべようとしても思い浮かべられない心理的な内容」のことです。
精神分析では特に、「善悪の分別がない本能的欲望であるエス(イド)が渦巻く領域」や「抑圧されたトラウマ記憶が存在している心の奥深い場所」を示しています。
「無意識」には、「無意識に~する」で「意識せずに」の一般的な意味もあります。
「無意識」の例文
・『人間の行動は意識にある動機だけで決まっているわけではなく、無意識の領域にある本能・トラウマで規定されているのです』
・『無意識のうちに必要以上の食べ物をかき込むように平らげてしまうのが重度の摂食障害の恐ろしいところなのです』
「潜在意識」とは?
「潜在意識(せんざいいしき)」とは、「顕在意識の対義語」として使用されている心理学的な用語です。
「潜在意識」の表現は、「普段の生活では意識することがない心理的な内容」を意味しています。
「潜在意識」というのは「顕在的・自覚的ではない心理内容」であり、「心の奥深い領域+無意識に何かをしてしまう場合の原因になっている意識」を指し示しているのです。
「潜在意識」の例文
・『催眠は潜在意識にメッセージを送り込むことで、無意識にその人の行動や発言をコントロールできる可能性があります』
・『人の意識は、普段思い出すことのできない潜在意識の領域が全体の90パーセント以上を占めると言われています』
「無自覚」とは?
「無自覚(むじかく)」とは、「自分でも自覚していない心理状態」を意味しています。
「無自覚」という言葉は、「意識的に何かをするのではなく、意識せずに何かをしてしまう状態」を指し示しているのです。
「無自覚」というのは、「自分でも気づいていない心的なステータス+意識的に何かをしようとはしていないさま」といった意味合いを持っている表現なのです。
「無自覚」の例文
・『誰に対しても敬語を一切使わない、彼女の非常識な話し方は無自覚なものでした』
・『無自覚に髪の毛や唇をいじる癖を直すためにカウンセリングに通っています』
「無意識」と「潜在意識」と「無自覚」の違い
「無意識」と「潜在意識」と「無自覚」の違いを分かりやすく説明します。
「無意識」は、「努力して思い出そうとしても思い出すことができない意識よりも深い場所にある心的内容を意味する精神分析用語」としてのニュアンスが強くなります。
「潜在意識」は「顕在意識の対義語」として使われている心理学用語ですが、「無意識」と比べると「精神分析との相関関係」が弱くなっている違いがあります。
「無自覚」は「意識していない状態」の意味を持ち、「無意識」にも同じ意味はありますが、「無自覚」は「意識することのできない無意識の領域」という意味合いは持っていません。
まとめ
この記事では、「無意識」と「潜在意識」と「無自覚」の意味の違いを分かりやすく解説しましたがいかがでしたか?「無意識」と「潜在意識」と「無自覚」の意味の違い・例文について詳しくリサーチしたい人は、この記事の説明を読んでみてください。