論議?議論?討論?
いずれも似たような言葉に思えますが、そこに違いはあるのでしょうか?
この記事では、「論議」「議論」「討論」の違いや意味についてわかりやすく説明していきます。
「論議(ろんぎ)」の意味とは?
「論議」とは「お互いに意見を出し合い、道理にかなっているか、道理からはずれているかを論じ合うこと」という意味です。
「論議」は、後述する「討論」に対して「議題に対して、参加者の意見を照らし合わせ、より建設的な答えや解決策を導くこと」をゴールとして行われます。
また、必ずしも「結論」を出すことが目的ではなく、「意見交換」として「論議」が行われることもあります。
仏語としての「論議」
「論議」は仏語としても用いられており、「教義を明らかにするために行われる問答」を指します。
また、その問答を形式化した儀式を指して「論議」とも呼びます。
また、法会(経典を声に出して読んだり、講説する催しなど)や法楽(経典を声に出して読み、舞楽で神仏を楽しませることなど)の際にも「論議」が行われます。
「論議」を使った例文
・「低年齢層のイジメの防止策について論議する」
・「より多様な意見を取り入れるために、論議の場に多くの参加者を募る」
・「論議に時間をかけることで、よりよい答えを導き出せるはずだ」
・「論議の場では、なるべく他者の意見を否定しないようにしよう」
「議論(ぎろん)」の意味とは?
「議論」とは「お互いに意見を述べ合い、論じ合うこと」という意味です。
「出された意見の中からベストな結論を導き出すこと」をゴールとして行われる点では、先述した「論議」と大きな違いはありません。
「議論」を使った例文
・「この議題に沿って、お互いに議論を行いましょう」
・「現行の体制に関して、白熱した議論が行われた」
・「議論に熱が入るのはいいが、相手を侮辱してはいけない」
・「互いに一歩も譲らず、議論は平行線を辿った」
「討論(とうろん)」の意味とは?
「討論」とは、「お互いに意見を出し合い、議論を戦わせること」を意味します。
先述した「論議」や「議論」に対して、「自分の意見と他者の意見をぶつけあい、どちらの意見のほうが正しいか?やどの意見が最も優れているか?を決めるという意味合いを持っています。
「討論」は、「相手の意見を論破して勝敗を決めること」や「出された意見の中から、最も優れているものを決めること」をゴールとして行われます。
「討論」を使った例文
・「賛成派と反対派に別れて討論を行います」
・「決められたテーマに沿って討論会を開催します」
・「討論番組にて、弁舌な芸能人が珍しく論破されていた」
・「選挙の候補者による公開討論会が行われる」
まとめ
・「論議」と「議論」は「お互いに意見を述べ合い、論じ合うこと」という意味です。
・「討論」とは、「お互いに意見を出し合い、議論を戦わせること」を意味します。
「論議」や「議論」はおもに「最良の答えを導くこと」を目的に行われますが、「討論」はおもに「相手の意見を打ち負かすこと」を目的に行われます。