この記事では、「類似」と「相似」と「酷似」の違いを分かりやすく説明していきます。
「類似」とは?
似通っていること。
よく似てまぎらわしいことを指す言葉で、似ているものの対象は形状だけではなく、色、状況、症状など非常に多岐にわたります。
類似ということは2つのものは同じものではないと定義でき、「類似品」とした場合、似た商品という意味合いですがネガティブな言葉として使われることが多く、コピー商品としての見方も含まれています。
言葉としては比較的広く使われており、「類似する楽曲のおすすめ」と言うようなポジティブな要素も含む意味合いで使われることがあります。
「相似」とは?
形や性質が互いによく似ていることという意味に加えて、ひとつの図形を拡大/縮小させた関係にあること。
という要素が含まれており、形は同じだけど大きさが異なるという関係性を相似といい、相似をあらわす記号もあります。
例えば同一銘柄の缶ジュースの500mm缶と350mm缶を相似と言えなくもないでしょう。
似通っているという意味合いでは類似と同じように使える言葉でもあり、形状だけでなく現象などにも使うことができるのですが、言葉としての使われ方はやや少なく類似品に対して相似品という言葉は日本では広がってはいません。
「酷似」とは?
非常によく似ていること、そっくりなことを指す言葉で、形状だけでなく状況など多岐にわたった対象を指して使う言葉です。
なお、酷似という言葉は性質的にコピー品、模造品を指す際に使うケースが多いことから、ネガティブな意味合いがどうしても見られます。
また、「酷」という文字のイメージもネガティブさに響いていることに加えて、話し言葉ではあまり使われない面もあります。
そっくりに物まねをするなど、努力によってできたと思われ、ポジティブな要素を持つ現象はあまり酷似しているとは言わず、そっくりなどと評します。
「類似」と「相似」と「酷似」の違い
全て互いによく似ているという意味を持つ言葉ですが、「類似品」などのようにネガティブな意味合いも含めて類似をより進めた言葉が酷似となっています。
ただし「酷似品」という言葉はありません。
相似も互いによく似ているという意味の言葉ではありますが、数学用語として同じ形の図形で大きさの異なる関係を指すため、対象となる両者の中で同じ要素が強めになっている部分があります。
ただし、相似という言葉自体はあまり広く使われる言葉で履く、コピー品などを相似品とは言わず、相似する曲のおすすめというような文章もありません。
まとめ
「類似」と「相似」と「酷似」はこの中で唯一「相似」が数学用語としての意味を持っており、用途や意味合いが異なる一方で、言葉としての使われる範囲が狭くなっています。
「類似」と「酷似」は似ている度合いの違いで使い分けができ、酷似が最もよく似たものとなり、言葉としては類似が最も広く使われています。