「示唆」と「示す」と「指摘」の違いとは?分かりやすく解釈

「示唆」と「示す」と「指摘」の違い生活・教育

似たような言葉に感じる「示唆」「示す」「指摘」ですが、どのような違いがあるのでしょうか?

この記事では、「示唆」「示す」「指摘」の意味や違いについて分かりやすく説明していきます。

「示唆(しさ)」の意味とは?

「示唆」とは、「それとなく示して、教えることや知らせること」「ほのめかすこと」を意味する言葉です。

「示」という字は「示(しめ)す」とも書くように、「教える」「指し示す」という意味を持ち、「唆」という字は「そそのかす」「けしかける」という意味を持っています。

どちらかと言えば堅い表現であるため日常シーンで使われることはほとんどなく、逆にビジネスシーンや論文などで使われることが多いようです。

ビジネスシーンでは目上の人へ教えを乞うときに「ご示唆ください」と使われたり、指導に対する感謝を伝えるときに「ご示唆いただき誠にありがとうございました」などと使われます。

また、論文では「~である」という明言や断定を避けるための文言として、「~と推測される」「~の可能性がある」という意味で「~であることが示唆された」などのように使われています。


「示唆」を使った例文

・『最新の調査結果は、その物質が医療技術に転用できる可能性を示唆していた』
・『先輩からの示唆を受け、自分の問題点を客観的に捉えることができた』
・『あの青年実業家のセミナーは示唆に富んでいることから人気なようだ』


「示(しめ)す」の意味とは?

「示す」には以下の意味が含まれています。

「相手に分かるように、何かを見せること」
「自分の考えや気持ち、反応などを、相手に伝わるような方法で表現すること」
「現象や物事がある状態や傾向などを表すこと」
「指などで指して、教えること」
「時計や計器などが時刻や目盛りを指すこと」

「示す」を使った例文

・『施設の受付スタッフに入館証を示した』
・『彼は彼女の好きな物をプレゼントすることで、謝罪の意を示すことにした』
・『ドル円価格の再上昇はドル高へのトレンド転換を示していた』
・『道に迷っていた人に、地図を使って目的地までの道順を示してあげた』
・『時計の針は午後3時ちょうどを指し示していた』

「指摘(してき)」の意味とは?

「指摘」とは、「要点や注意点、欠点などを取り上げて、指し示すこと」を意味する言葉です。

「摘」という字は「摘(つ)む」「摘(つ)まむ」という意味の他、「選び出す」「暴く」という意味が含まれています。

「指摘」を使った例文

・『自分の試合動画を参考に、コーチから弱点や改善すべき点を指摘された』
・『コミュニケーション能力が低いとの指摘を受けた彼は自己啓発に励んだ』
・『その社説は現政権の政策に対する無責任さを指摘していた』

まとめ

「示唆」「それとなく教えること」「ほのめかす」など「直接的な表現ではなく、間接的に、遠回しに何かを教えること」を意味する言葉ですが、堅い表現であるためビジネスシーンや論文などに使われることが多い言葉です。

「示す」にも複数ある意味のうち、「ほのめかす」に近い意味が含まれていますが、「示唆」よりも一般的に使われている言葉と言えます。

一方、「指摘」「要点や注意点などを具体的にピックアップして教える」という意味を指すため、「示唆」「示す」とは全く違う意味の言葉となります。