「愛でる」と「可愛がる」の違いとは?分かりやすく解釈

「愛でる」と「可愛がる」の違い生活・教育

「愛でる」「可愛がる」は意味がよく似ている言葉ですが、どのような違いがあるのか紹介します。

「愛でる」とは?

「愛でる」には、人や物、動植物などを慈しみ可愛がるという意味があります。

また、その美しさを味わって感動するという意味も持っています。

感心するとか褒める、大切にするといった意味で使われることもあります。

よく使われる表現として「月を愛でる」がありますが、これは月の美しさに感動し惚れ惚れと観賞することを「愛でる」と表現しています。

日本には月見という文化がありますが、月を眺めて楽しむだけではなく、その美しさに浸り、感動したり神秘性を感じたりする奥深い言葉として使われています。

「愛でる」は古めかしい表現なので、あまり日常会話などでは使われません。

それから犬や猫、小鳥などのペットを可愛がる時などにも「愛でる」と言ったりします。


「愛でる」の使い方

『バードウォッチングに出かけ小鳥を愛でるのが私の唯一の楽しみです』
『あなたはお花見で桜の花を愛でるより、ただ羽目を外してどんちゃん騒ぎがしたいだけでしょう』
『花を愛でる様子を歌に詠みました』


「可愛がる」とは?

「可愛がる」には、可愛らしいと思って優しくするとか大切にするといった意味があります。

また、目をかけて何かと引き立てるとかひいきするといった意味でも使われています。

それから反語的な意味で、いじめるとか痛い目に合わせるという意味で使われることもあります。

「可愛い」は愛おしさを表す形容詞で、そこから動詞になったのが「可愛がる」です。

「可愛がる」の使い方

『彼は年の離れた弟を可愛がる優しいお兄ちゃんです』
『後輩のうち一人だけ可愛がるのは周囲の反感を買うのでよくないと思います』
『私は子どもの頃、祖父母に可愛がられていました』

「愛でる」と「可愛がる」の違い

「愛でる」「可愛がる」も人や動物に使いますが、花や月といった自然に使うのは「愛でる」だけです。

これは「愛でる」に、美しいものを味わうとか美しいものに感動するといった意味があるからです。

花を愛でるとはいいますが、花を可愛がるとはいいません。

また、「愛でる」は古い日本語で、日本最古の物語といわれる竹取物語にも載っています。

そのため古めかしいイメージがあり、日常会話ではあまり使われない言葉です。

それに対して「可愛がる」は、普段の会話でもよく使われています。

それから「愛でる」は弱い立場にある人や動物などに一方的に愛情を感じる場合に使うことが多いです。

我が子を可愛がるとはいいますが、我が子を愛でるとはいいません。

まとめ

「愛でる」「可愛がる」の違いは、言葉の対象となるものにあります。

「愛でる」は月や花といった自然にも使いますが、「可愛がる」は月や花などには使いません。

日常会話で使われるのが多いのは「可愛がる」で、「愛でる」は古めかしいイメージがあるのであまり使われていません。