なんとなくの違いで使い分けている人も多い「防止」と「抑制」にはどのような違いがあるのか。
この記事では、「防止」と「抑制」の違いを分かりやすく説明していきます。
「防止」とは?
「防止」は、防ぎ止めると書きます。
その書き方の通り、何かことが起こることを防ぐことを意味します。
今の勢いがこのまま続かないように留めるといった意味もあり、基本的に今以上に悪いことにならないように防ぎ止める、悪いことが起きないように注意するといったように良いことに対してではなく悪いことに対し用いられます。
言い換えれば、「予防」や「食い止める」「ストップする」「中止」などと同じです。
「防止」の使い方
「防止」は一般的に「防止する」「防止した」「防止に努める」などといった形で使用します。
また、「防止」を使った言葉は多く「再発防止」や「追突防止」「感染防止」「飛沫防止」などといった言葉があります。
「抑制」とは?
「抑制」の「抑」には、おさえる、おさえつける、といった意味があります。
そこから「抑制」には、抑えとどめるといった意味があり急激に進むものに対し抑えとどめる際に用います。
人間が持つ激しい感情や高ぶる感情、激しい欲望や突発的な行動などに対し用います。
自分の感情とは反し自然と置いてしまうようなことに対し、自分自身の理性や他の方法を使って抑え込むことが「抑制」となります。
言い換えれば、「規制」や「コントロール」「制限」「鎮圧」などと同じです。
対義語は、ものごとがはかどるように促すことを意味する「促進」です。
「抑制」の使い方
「抑制」は一般的に「抑制する」「抑制した」「抑制できない」などといった形で使用します。
また、「抑制」を使った言葉には、「抑制効果」や「抑制剤」「抑制作用」「物価の抑制」などがあります。
「防止」と「抑制」の違い
「防止」は防ぎ止めることを意味し、未然に起きたら悪いことを防ぐといった意味があります。
それに対し「抑制」は抑えとどめることを意味し、自然に突発的に起こるものに対し抑えとどめるといった意味となります。
同じ何かを止めるといった意味ですが、以上のように適した使い方がそれぞれにある言葉となります。
「防止」の例文
・『あらゆる飲食店で様々な飛沫防止対策が行われています』
・『親からの虐待を防止するために自分に何ができるだろうと考える』
・『今後起こり得る巨大地震に備え転倒防止グッズを買いそろえました』
・『今後、再発防止に努めたいと思っております』
「抑制」の例文
・『国によって物価の抑制を実施する』
・『この方法で法的な抑制効果があるのか疑問です』
・『金利上昇を抑制するための対策を行う』
・『様々な対策を行った結果、感染を抑制することができた』
まとめ
「防止」と「抑制」は、それぞれに適した使い方が求められる言葉です。
そのため、何を止めるのか、どのような形で発生するものを止めるのか、などによって適した使い分けが必要です。