この上ないという表現がしたいときは「極まりない」を使いますか、それとも「極まる」を使いますか。
この記事では、「極まりない」と「極まる」の違いを分かりやすく説明していきます。
「極まりない」とは?
この上ない、甚だしいという意味です。
形容詞になります。
「極まる」とは?
極限に達し限度に行きつく、この上なくという意味になります。
動詞です。
「極まりない」と「極まる」の違い
「極まりない」と「極まる」の違いを、分かりやすく解説します。
「極まりない」と「極まる」は、両方とも極めてという意味では同じですが、品詞と強調されている程度が違います。
「極まりない」は形容詞になり「極まる」の否定形ではありません。
限度がない、無限という意味合いがあり、「極まる」よりも強く激しい印象を与えます。
「極まる」は動詞になり限度に達したという意味合いです。
「極まりない」の例文
「極まりない」の例文を紹介していきます。
・『体型のことを言ってきて失礼極まりないと思いました』
怒っているときは「極まりない」の方が伝わります。
「極まる」にも言い換えられますが、意味が少し弱まります。
・『警報が出ているのに川に近づくのは危険極まりないことです』
増水している川に迂闊に近づくことは間違いなく危険で、その行動をやめさせ強く反対したいときは「極まりない」がいいでしょう。
「極まる」でも表現できますが、動詞のため「危険極まります」という言い方に変えます。
・『足を引っ掛けて転ばせるなど卑劣極まりないやり方です』
正々堂々と勝負せず卑怯なやり方をされて腹が立っているときは「極まりない」を使います。
「極まる」にも言い換えられますが、苛立っていることが少し弱く伝わってしまいます。
「極まる」の例文
「極まる」の例文を紹介していきます。
・『私は卒業式で感極まって泣いてしまいました』
卒業式では先生や親、友達に向けて感謝の気持ちを伝え、楽しかった日々を振り返ると、心が非常に強く動かされます。
そのようなときに使う慣用表現が「感極まる」です。
「感極まりない」とは言えませんが、「感動極まりない」なら表現できます。
・『彼は大富豪で贅沢極まる生活でした』
贅沢三昧の生活の様子を表現できます。
「極まりない」にも言い換えられ、もっと贅沢していた印象に変えられます。
・『間違ってパジャマで登校してしまうという滑稽極まる話を聞きました』
非常に面白くおかしいときに滑稽「極まる」と言います。
「極まりない」にも言い換えられますが、もっと馬鹿にしているように聞こえてしまうでしょう。
まとめ
「極まりない」と「極まる」は両方ともこの上ないという意味では同じですが、品詞と強調している程度が違います。
「極まりない」は形容詞で「極まる」より激しい意味になり、「極まる」は動詞になります。
「極まりない」も「極まる」も甚だしいことを伝えたいときにはとても便利な言葉です。
「感極まる」以外では「極まりない」の方が使われることが多いですが、滑稽「極まりない」をよく使ってしまうと相手を馬鹿にした表現になり、失礼「極まりない」人になってしまうので気を付けましょう。