この記事では、「忘失」「失念」「亡失」の違いを分かりやすく説明していきます。
「忘失」とは?
「忘失」は「ぼうしつ」と読みます。
「忘」という字には、「わすれる」「思い出せなくなる」「記憶がなくなる」という意味があります。
「失」は、「手からはなす」「なくす」「うしなう」「うせる」「うっかり誤る」という意味をもっています。
「忘」と「失」の2文字で構成される「忘失」は、「忘れてしまうこと」や「忘れてなくすこと」という意味になります。
「記憶を忘失する」といった使い方をします。
「忘失」の例文
・『先方の名前を忘失する』
・『書類を忘失する』
・『パスワードを忘失した』
「失念」とは?
「失念」は「しつねん」と読みます。
「失」は前述したように、「手からはなす」「なくす」「うしなう」「うせる」「うっかり誤る」という意味をもっています。
「念」には、「常に心の中を往来しているおもい」や「気をつけること」「注意すること」という意味があります。
「失」と「念」の2文字で構成される「失念」は「うっかりして忘れること」という意味になります。
「失念」はビジネスシーンにおいて使われることが多い言葉です。
「約束をつい忘れてしまいました」というと無責任な印象を与えてしまいます。
そのような時に「約束をつい失念してしまいました」という使い方をします。
「失念」の例文
・『お伝えするのを失念しておりました』
・『後半の部分を我々は失念していました』
・『勤務先の名称を失念している場合は更に記録が見つかりづらい』
「亡失」とは
「亡失」も「ぼうしつ」と読みます。
「亡」には「死ぬ」「なくなる」や「ほろびる」という意味があります。
「失」は前述したように、「手からはなす」「なくす」「うしなう」「うせる」「うっかり誤る」という意味です。
「亡」と「失」で構成される「亡失」は、「なくなってしまうこと」や「なくしてしまうこと」という意味になります。
「亡失」の例文
・『受験票亡失の場合は、受験会場にて亡失の旨を伝えなければならない』
・『コレクションのほとんどを亡失してしまう』
・『トラベラーズチェック亡失時に備える』
「忘失」と「失念」と「亡失」の違い
「忘失」と「失念」と「亡失」の違いを説明します。
「忘失」とは忘れてしまうことです。
「亡失」「忘失」は読み方が同じですが、意味は違います。
「亡失」はなくなってしまうことやなくしてしまうことです。
忘れることではありません。
そして「失念」とはうっかりして忘れることです。
「忘失」も「失念」も忘れることという点では同じですが、「失念」はうっかりして忘れることです。
まとめ
以上が「忘失」「失念」「亡失」の違いです。
「忘失」とは忘れてしまうこと。
「亡失」はなくなってしまうこと。
そして「失念」とはうっかりして忘れることを表します。