金閣も銀閣も京都を代表する観光名所として知られています。
金閣と銀閣の違いについて紹介します。
金閣とは?
金閣とは、鹿苑寺にある舎利殿のことをいいます。
鹿苑寺は金箔が貼られた舎利殿があることから金閣寺という名前で知られており、鹿苑寺よりも金閣寺の方が有名です。
また、金閣は黄金で装飾を施した楼閣そのものをいうこともあります。
鹿苑寺の金閣は、足利義満によって別荘として建てられました。
足利義満は室町幕府の第3代将軍として知られていますが、当時は将軍職を子どもである義持に譲っていました。
しかし、政治の実権を手放すことなく政務を行っていたといわれています。
金閣は三層の楼閣になっていて、初層と二層は寝殿造りで建てられました。
三層は禅宗様仏堂風の建築様式で建てられています。
金箔は二層と三層の外壁に用いられました。
金閣は国宝に指定されていましたが、1950年に放火によって消失してしまいます。
放火したのは鹿苑寺の見習いだった学僧で、警察に逮捕されました。
放火事件から数年後、創建当時の姿に復元され再建しています。
銀閣とは?
銀閣は、慈照寺にある観音殿のことをいいます。
銀閣は木造2階建ての楼閣建築で、仏殿と書院造が融合しています。
東山文化を代表する建築物として知られており、足利義政によって建築されました。
足利義政は室町幕府の第8代将軍ですが、子どもである義尚に将軍職を譲り隠遁生活を送っていたようです。
義政は書画や茶の湯に親しみ、風流な遊びを好んだといいます。
慈照寺はこの銀閣があるため銀閣寺と呼ばれており、慈照寺という名称よりも銀閣寺の方がよく知られています。
また、銀で飾った美しい楼閣のことを銀閣ということもあります。
ただし、慈照寺の銀閣には銀箔が貼られているわけではありません。
元々は銀箔を貼る予定だったけれど、費用が賄えないため断念したという説もあります。
最初から銀箔を貼る予定はなかったという説もあるので、実際のところは分かりません。
現在は京都にある金閣と飛雲閣に並んで、京の三閣の一つに数えられています。
金閣と銀閣の違い
金閣と銀閣はどちらも京都を代表する建築物ですが、知名度としては圧倒的に金閣の方が上です。
とても華やかな印象があり、国内外から多くの観光客が訪れています。
また、金閣には金箔が貼られていますが、銀閣には銀箔は貼られていません。
ただし、銀閣は地味な印象ではあるものの「わび」「さび」といった幽玄性を特徴とする東山文化の象徴的な建築物です。
足利義政は、独自の美意識を追求し造り上げたともいわれています。
そのため通好みに人気の建築物です。
まとめ
金閣は鹿苑寺にある舎利殿のことをいい、銀閣は慈照寺にある観音殿のことをいいます。
金閣には金箔が貼られていて非常に豪華なイメージがあります。
銀閣には銀箔は貼られていませんが、「わび」「さび」といった幽玄性を持つ東山文化の象徴的な建築物です。