金箔は伝統工芸品などに用いられていますが、食用としても使われています。
「金箔の食用」と「金箔の工芸用」の違いについて紹介します。
金箔の食用とは?
金箔は金を薄くのばしたものをいいます。
大体、2gの金を金づちで叩いて畳一枚分にまでごく薄くのばします。
食用として使われている金箔は、全てが金でできているわけではありません。
プルランという物質でコーティングされています。
プルランは多糖類のでんぷんです。
金箔の90%以上はプルランで、金は数%程度しか含まれていないといわれています。
そもそも金は食品添加物として扱われており、体の中に摂り入れても悪影響を及ぼすことはありません。
厚生労働省からも認可されています。
栄養があるというわけではなく、胃酸に反応しないので食べてもそのまま排せつされます。
体に効用はありませんが、毒性もないため食べても問題ないのです。
では、どうして金箔を食用として使うのかというと、見た目を華やかにするためになります。
金箔はキラキラと輝くので、お祝い事の席などには最適です。
金箔入りの日本酒が、結婚式などのお祝いの場で振る舞われることもあります。
金箔の工芸用とは?
金箔は漆器などの工芸品や仏像、仏壇、箪笥や屏風といった建具類などに使われることが多いです。
世界でも古くから金を薄くのばす技術は存在していて、金箔が誕生したのは紀元前1200年頃の古代エジプトといわれています。
日本では石川県の金沢市が金箔の産地として知られており、99%以上のシェアを誇ります。
金沢は加賀藩の前田家のお膝元ですが、前田家では伝統工芸の業を手厚く保護してきた歴史があります。
そのため金箔の文化も綿々と受け継がれてきました。
現在でも工芸用の金箔は、様々な伝統工芸に使われています。
金箔の工芸用には、金のみで作られている純金箔と銀や銅を混ぜた本金箔があります。
銀や銅を加えるのは、色目を整えるためです。
金箔の食用と工芸用の違い
食用に使われる金箔も工芸用の金箔も金の素材には違いはありません。
金箔には等級があり、四号以上の等級であれば食用として認められています。
金箔の等級は、金に加える銀や銅の割合によって決まります。
食用の金箔の場合、金のみで作られているものや金と銀でできているものがほとんどです。
また、食用の金箔はプルランというでんぷんでコーティングされており、金の含有量はそれほど多くはありません。
90%以上はプルランで、金の割合は数%にとどまります。
それから食用の場合、衛生面などを考慮して工芸用とは区別して製造されています。
口にするものなので、工芸用よりも衛生管理が徹底された環境で製造されます。
まとめ
金箔のうち食用として使われるのは、四号以上の等級のものに限られます。
工芸用は等級に関係なく使用することができます。
また、食用の金箔はプルランというでんぷんでコーティングされていて、金の割合は数%です。