この記事では、「絞る」と「搾る」の違いを分かりやすく説明していきます。
「絞る」とは?
いくつもの意味がありますが、主なものは5つです。
1つめは、水などがしみこんだ布などをねじって、含まれていた水分を出すです。
雑巾を濡らした後には、この行為を行います。
雑巾に水分を含ませ後、このままではポタポタと水がこぼれてくるので、両手で雑巾を持って、左右の手を反対方向に動かします。
こうすると、雑巾に含まれていた水が出てきます。
2つめの意味は、簡単には出てこないものを何とかして出そうとするです。
スポーツなどで応援するとき、普段よりも大きな声を出します。
大きな声を出すには努力が必要です。
このときに、無理をして出すこともあるでしょう。
そのときのような出し方を意味しています。
3つめは広がっているものを小さくするです。
傘をたたむと、広がっていた傘が小さくなります。
開いた状態の袋の口は、しめるときに小さくします。
こういった、小さくすることをいいます。
また、問題の範囲を狭くする、捜査の範囲を限定するといった意味の小さくするも指しています。
4つめは音量などを小さくするです。
テレビやラジオなどの音を小さくすることをいいます。
5つめは弓を力いっぱい十分に張るです。
「絞る」の使い方
いくつもの意味があり、広く使われている言葉です。
無理に出す、小さくするといった意味で使います。
「搾る」とは?
「搾る」には2つの意味があります。
ひとつは、強く押したり握ったりして、ものに含まれる水分を取るです。
人間は牛の乳を食用に利用しています。
牛の乳を取るには、牛の乳房を強く押したり握ったりします。
何もしなければ出てきませんが、人間が握ったりすることで出てきて取ることができます。
果汁は果物に含まれる液です。
果物に含まれている液を取り出すためには、握ったり、道具に押しつけたりします。
こういった行為を指しています。
もう一つの意味は、無理に出させて取るです。
残酷なやり方で取ることをいいます。
たとえば、厳しい状況の農民から年貢を取るなどです。
無理やりの行為を指しており、お願いして受け渡してもらうことではありません。
「搾る」の使い方
ものに含まれる水分を取るという意味で使うことが多いです。
水分を含ませたものから取り出すことではなく、もともとそこに入っているようなものを取り出すことをいいます。
「絞る」と「搾る」の違い
「しぼる」と読み方は同じですが、使い方が違います。
前者は幅広い物事に使用されています。
特に布などに含まれる水を出す、広がっていたものを小さくする、無理に取るなどをいいます。
後者はものに含まれる水分を取ることです。
「絞る」の例文
・『雑巾を絞る』
・『カメラのレンズを絞る』
・『ラジオのボリュームを絞る』
・『一生懸命に知恵を絞る』
「搾る」の例文
・『牛乳を搾る』
・『オレンジから果汁を搾る』
・『搾るには力が必要だ』
・『絵具を搾る』
まとめ
読み方が同じですが、使い方に違いがあります。