この記事では、「区切り」と「節目」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「区切り」と「節目」の違い
「区切り」【くぎり】と「節目」【ふしめ】は、どちらも物事が境目で分かれている様子、その切れ目を表す言葉です。
互いが類語の関係にあり「流れている時間をある時点で切る」という意味を持つところがよく似ています。
「区切り」は、場所や時間などを単位やルールにそって形式的に分けるものです。
また「句切り」と表記する場合は「文章を内容によって、句読点や段落などで切り分けること」を表します。
「節目」は、植物の幹にある節を指す用語です。
それ以外では「時間の流れの中にあり、その時点で時間を分けることに大きな意味を持つ分岐点」を指す時に多用されます。
「区切り」は、広い意味を含むのでさまざまな場面で使えます。
一方「節目」は、時間の概念を対象としており「人生の節目」のように、人生における分岐点を指すことが多くなっています。
「句切り」「句切り」は単位やルールに沿って切り分けられた客観的な事実ですが、「節目」はある人の思い入れや事情によって決められる、主観を伴った結果といえるでしょう。
「区切り」と「節目」の使い方の違い
「区切り」「句切り」は、場所や時間、文章や会話を単位やルールに従って都合の良いところ、キリの良いところで切る時に使います。
たとえば、ある敷地を用途別に分ける場合、文章をリズムの変わるごとに句読点をつける場合など、その境目、切れ目を「句切り」と呼ぶことができます。
「節目」は、場所や文章を分ける場面で用いることはありません。
そもそもは植物の幹のところどころにある「節」を表すもので、ある人の人生の分岐点を指す例えに使われます。
たとえば、進学、成人、結婚などの冠婚葬祭を経験した時点、あるいは、その後の人生が変わるような大きな出来事があった時などを「人生の節目」と呼びます。
「区切り」と「節目」の英語表記の違い
「区切り」には多数の英語表記がありますが、主に“separation”“chapter”“a pause”などが挙げられます。
“separation”は、ある事象が境目で分けられ、互いに空間の距離がある様子を指します。
“chapter”は、書物を章ごとに分けること、あるいは時間を分けることです。
“pause”は、一時停止、一休みすること、文章を句読点などで切ることです。
「節目」の英語表記には、分岐点を意味する“turning point”や、工程における重要な段階を表す“milestone”などがあります。
植物の節という意味ならば“joint”が該当します。
「節目」と「区切り」は日本語では類語にあたりますが、英語表記を比べるとそれぞれのニュアンスが別のものであることがうかがえます。
「区切り」の意味
「区切り」は、物事がまとまりごとに切れているさま、その境目や途切れたところを指す言葉です。
「区切れ」と言ったり「句切り」と書いたりもします。
「区」はある領域を小さく分けた部分を指しており、「区切り」は領域を「区」に切ったもの、つまり、ある物が境目で切れていること、ある物を領域に分けるために生じた切れ目を表しています。
「句切り」の「句」は文章の中にある文字や単語のかたまりを意味しており、「句切り」は文章や会話がまとまり(段落)ごとに切れている状態、またはその切れ目を指しています。
「区切り」の使い方
「区切り」と「句切り」はほとんど同じ意味で使われてますが、「区」と「句」の意味するものは違うので、狭義には状況によって使い分けることがのぞましいです。
場所、時間の流れの中で状況が変化する境目、キリの良いところなどは「区切り」と呼びます。
文章、会話の中にある段落、内容やリズムの変わる切れ目を表す場合は「句切り」と表記します。
また「区切りをつける」と言った場合には「けじめをつける」という意味になります。
「区切り」を使った例文
・『区切りの良いところで休憩を入れよう』
・『その部屋は、3つの区切りによって空間が分けられている』
・『彼は今までのだらしない生活に区切りをつけ、朝から晩まで仕事で汗を流すようになった』
・『句切りを意識しながら、抑揚をつけて朗読する』
「区切り」の類語
「区切り」の類語には「節目」「切れ目」「一段落」「けじめ」などがあります。
節目【ふしめ】:分岐点
切れ目【きれめ】:ものが途切れている所
一段落「ひとだんらく」:一つの段落、何かが片付いた時のこと
けじめ:切れ目、節度があること
「節目」の意味
「節目」は植物の幹などにある節、あるいは物事の分かれ目を指す言葉です。
主に、時間の流れの中にある分かれ目、人生の転機や分岐点という意味で使われます。
「節目」は、そもそも竹、木などの幹にできる堅い「節」を指した言葉です。
竹や木の「節」と、物事の境という意味を持つ「目」を組み合わせることで、物事を分ける境目を表しています。
「節目」の使い方
「節目」は植物の幹にある節を指す言葉ですが、植物の「節目」になぞらえ、人生の分岐点を指すことが多くなっています。
主に、冠婚葬祭、入学や就職、周年記念などの大きなイベント、心境の変化があった時などが「節目」と呼ばれます。
「節目」を使った例文
・『竹の節目には、竹を丈夫にする役割がある』
・『事業を始めてちょうど10年の節目を迎える』
・『生涯には、入学、卒業、結婚、出産など人生の節目と呼ばれる出来事がたくさんある』
・『今までは仕事に時間を捧げてきたが、定年退職を節目に考え方を変え趣味を楽しもうと思っている』
「節目」の類語
「節目」の類語は、一例として「区切り」「分岐点」「岐路」があります。
「区切り」:物事の切れ目
「分岐点」【ぶんきてん】:道の先が二つに分かれている地点
「岐路」【きろ】:「分岐点」と同じ意味
まとめ
「句切り」と「節目」はよく似たニュアンスを持つので、類語として置き換えても問題ない場合があります。
ただし、それぞれが対象にしている概念は異なるため、適切に使い分けることが大切です。
日常でもよく使う言葉なので、ぜひ正しい意味を理解しておきましょう。