「感銘」と「共感」と「感動」の違いとは?分かりやすく解釈

「感銘」と「共感」と「感動」の違い生活・教育

他の動物と比べて複雑な感情を持つ生き物が我々人間ですが、心を動かされるという現象にもさまざまなものが存在しています。

今回は代表的な3つについてご紹介したいと思います。

この記事では「感銘」「共感」「感動」の違いを分かりやすく説明していきます。

「感銘」とは

これは『物事や他の人間からの発言や行為から忘れられないほど深く強く心を揺り動かされること』を表している言葉です。

ポイントは『忘れられないほど』という部分で、この『感銘』がもとになって、その後の思想、態度や言動などが大きく変わることもあるほどの影響を持っているという意味になります。

例えば古い哲学書などを読み今後の行動や人生にまで影響するほどの衝撃を受けた場合に『哲学書を読み深い感銘を受けた』という表現をすることがあります。

また、相手を称賛する意味で使う場合もあります。


‐「感銘」の例文

・『わが社の創業当時のエピソードに深い感銘を受ける』
・『どんな状況の人間にたいしてもいたわりの心と慈しみの言葉を忘れない彼の精神は人々に感銘を与えた』


「共感」とは

これは『他人の意見や感情を自分自身に照らし合わせて、その通りであると感じる心や気持ち』という意味を持っている言葉です。

ポイントは『他人と自分を重ねる』という部分にあります。

注意をしたい点として、この『共感』においては影響度合いについてを明確にはしていません。

つまり、『共感』をしても行動や態度などを変える決定打に繋がる訳ではないということです。

例えば、やむを得ない状況で犯罪や違反行為をしてしまう人間に対しては『共感』してその気持ちを理解することはできても、罪をなかったことにしたり、許してしまうという行動まではつながることはなかなかないのではないでしょうか。

つまり、あくまでも『相手の状況や考えなどに自分自身を重ね合わせる』という現象にのみフォーカスをしている言葉なのです。

「共感」の例文

・『彼女の歌詞は多くの若者に共感を与えた』
・『どんなに訴えかけても、田村さんの言葉はメンバーから何の共感も得られなかった』

「感動」とは

これは『物事や他の人間からの発言や行為から深く強く心を揺り動かされること』を表す言葉です。

ポイントは『深く心を揺り動かされる』という部分にあります。

この言葉も影響度合いを明確にしている言葉ではなく、『感動』したからと言ってその後の言動などが変化するとは限らないという部分は気を付けなければなりません。

例えば我々は『感動』する映画やドラマをよく見て、涙することはありますが、それがその後の思想や行動の変化に繋がることはあまりないのではないでしょうか。

また、この言葉も相手を称賛する時に使うというところも注目したい部分です。

「感動」の例文

・『チームの決してあきらめないプレーに観衆は感動した』
・『その素晴らしい景色に私は心から感動した』

「感銘」と「共感」と「感動」の違い

それぞれ『その後の行動などに影響を及ぼすほど深く強く忘れられないぐらい心を動かされること』、『相手の状況や発言などに自分自身を重ねて理解すること』、『深く強く心を動かされること』という違いをつけることができます。

『感銘』と『感動』はよく混同されることの多い言葉ですが、『感銘』は『感動』よりも更に強い意味を持つと理解すれば間違いありません。

まとめ

如何でしたでしょうか。

今回は『感じる』という心の動きを表す言葉を3つ見ていきました。

特に『感銘』と『感動』については微妙なニュアンスの違いがありますので、是非しっかりと理解して使い分けてみてください。