「鉱水」と「軟水」の違いとは?分かりやすく解釈

「鉱水」と「軟水」の違い専門用語・業界用語

ミネラルウォーターの説明文を見ると「鉱水」「軟水」という表記がありますが、どのような違いで区別されているのでしょうか。

今回は、「鉱水」「軟水」の違いについて解説します。

「鉱水」とは?

「鉱水」とは、「ミネラル成分を豊富に含む水」を意味する言葉です。


「鉱水」の使い方

自然から採取される天然水には水以外にもナトリウムやマグネシウムなど「ミネラル」と呼ばれる成分が含まれています。

日本語では「無機質」と呼ばれるミネラルは「タンパク質」「脂質」「炭水化物」「ビタミン」と並んで人間の健康維持に不可欠な5大栄養素のひとつです。

天然水に含まれるミネラルの量は場所によって異なります。

水に含まれるミネラルは自然状態で天然水の中にとけだした好物などによるものなので地質や水資源の状態によって決まります。

天然水は含まれるミネラルの量によって区別されるのですが、ミネラルを豊富に含む水が「鉱水」です。

具体的な「鉱水」の基準は国や地域によって異なります。

世界的には、WHOが定める「カルシウム塩とマグネシウム塩の量を合わせ炭酸カルシウムの量に換算した値が120mg/Lを超える水」という基準が用いられています。

日本では1990年に農林水産省により「鉱水」が定義されています。

その定義とは「ポンプ等により取水された地下水のうち溶存鉱物質等により特徴付けられる地下水」というもので、簡単にいうと「特徴的な好物由来成分を含む組み上げられた地下水」「鉱水」と定めています。

農林水産省の基準に従うとミネラル分が比較的少ない水も「鉱水」に含まれてしまうため、現在市販されているミネラルウォーターの多くはWHOの基準に従い「鉱水」という表記を用いています。


「軟水」とは?

「鉱水」とは、「ミネラル成分をあまり含まない水」を意味する言葉です。

「軟水」の使い方

天然水には豊富にミネラルを含むものもあれば比較的含まない水もあります。

水に含まれるミネラルは栄養素として人体に有益な成分ですが味や匂いに影響を与えてしまうためミネラルを豊富に含む水に飲みにくさを感じる人もいます。

ミネラルをあまり含まない「軟水」はくせが少なく飲みやすいスッキリした味わいが特徴です。

にとって有益なミネラルですが水にとっては不純物にあたります。

特に飲む以外の用途、例えば選択や洗浄に用いる場合はミネラルを多く含む水が有害になることがあります。

水道管の内側にミネラル成分が付着して詰まりを引き起こしたり洗浄力が低下したりなど、できるだけ純粋な水に近い方がいい用途には「軟水」が適しています。

「鉱水」と「軟水」の違い

ミネラル成分を豊富に含む水が「鉱水」、あまり含まないのが「軟水」です。

水に含まれるミネラルの量を「硬度」といいますがWHOの基準としては硬度が120以上~180mg/L未満の水が「鉱水」、0~60mg/L未満「軟水」としています。

60~120mg/Lは「中硬水」、180mg/Lだと「非常な硬水」と呼ばれます。

まとめ

同じミネラルウォーターでも「鉱水」「軟水」では性質が大きく異なります。

味や匂いだけでなく健康への影響にも違いが見られるのでそれぞれの特徴を知り目的にあわせて使い分けましょう。