物品が披露されるイベントを指す言葉として「展覧会」と「展示会」と「博覧会」があります。
これらはどのような違いで区別されているのでしょうか。
今回は、「展覧会」と「展示会」と「博覧会」の違いについて解説します。
「展覧会」とは?
「展覧会」とは、「主に美術作品など鑑賞するためのものを集めて多くの人に公開する催し物」を意味する言葉です。
「展覧会」という表現が使われるのは絵画や彫刻など「人に見せるために製作された作品が披露されるとき」です。
「展覧会」の「展覧」には「並べて披露する」という意味があります。
人に見せるために製作されたもの、あるいは見せることに価値があるものを公開するのが「展覧会」であり来場者は並べられた作品を眺めて楽しみます。
基本的にはテーマや趣旨に沿った作品が集められます。
特定の作者や時代に絞って集めた作品を公開したりテーマに関連するさまざまな作品を披露したりなど工夫が行われ、主催者が設定するテーマは「展覧会」の個性決める重要な要素です。
「展覧会」の例文
・『完成した油絵を展覧会に出品する』
・『美術館では毎年恒例の展覧会が開催されている』
「展示会」とは?
「展示会」とは、「製品や商品の紹介を目的とする催し物」を意味する言葉です。
新しい製品や人に知られていない商品など「もっと知名度を高めたい物品を一同に集め多くの人に知ってもらうために公開するイベント」が「展示会」です。
主に企業や業界団体などによって主催されさまざまな製品や商品の見本を展示して来場者に知ってもらうためにPR活動や商品説明が行われます。
「展示会」の目的は製品や商品の知名度を高め売上につなげることです。
見本を展示するだけでなくその場で販売されることもあります。
そのような展示と販売が同時に行われる催し物を表す言葉が「展示即売会」です。
「展示会」の例文
・『宝石の展示会で貴重なジュエリーを見つけた』
・『コンピューターの展示会で新型パソコンの発売が発表される』
「博覧会」とは
「博覧会」とは、「産業や芸術の振興を目的に行われる物品や資料を公開する催し物」を意味する言葉です。
「博覧会」に展示されるのは産業発展や学術振興など「人類の進歩につながる物品」です。
「博覧会」の根底には「博物学」という学問があります。
博物学とは「世の中のありとあらゆるものを科学的に研究する学問」のことで一般的には自然界に存在するものを研究対象とします。
「博覧会」は「博物学の研究対象となるような物品や資料を公開するイベント」であり、学問的興味関心を通じて人類全体の進歩と発展につなげることを目的としています。
公開される物品は最先端の研究資料や科学技術から芸術作品、文化体験まで非常に幅広く特定の地域や文化について網羅的に公開されます。
「博覧会」の例文
・『博覧会でマンモスの化石が公開された』
・『知らない国の文化や風習について学べるのが博覧会のいいところだ』
「展覧会」と「展示会」と「博覧会」の違い
「展覧会」と「展示会」と「博覧会」の違いは「展示物」と「目的」です。
「展覧会」は芸術作品など鑑賞するために作られた物品を観客に観てもらうための集まりを指します。
「展示会」は商品や製品など売るための物品について知名度を高め売上向上のために行われる集まりです。
「博覧会」は研究や文化について広く知ってもらうための集まりで知見を高めることを目的にしています。
まとめ
「展覧会」と「展示会」と「博覧会」は公開される物品の種類や開催目的で区別されます。
混同しないよう注意してください。