この記事では、「捕まる」と「掴まる」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。
「捕まる」と「掴まる」の違い
「捕まる」には3つの意味があります。
1つめは、逃げようとするもの、暴れようとするものが押さえられて、逃げられないようになることです。
2つめは、目的のものを見つけ出したり、呼びとめたりすることができるです。
3つめは、声をかけられて、その場に無理にとどめさせられることです。
「掴まる」には4つの意味があります。
1つめは、逃げようとするもの、暴れようとするものが押さえられて、逃げられないようになることです。
2つめは、目的のものを見つけ出したり、呼びとめたりすることができるです。
3つめは、声をかけられて、その場に無理にとどめさせられることです。
4つめは、体が倒れたり、よろめいたりしないように、何かにしっかりと取りすがることです。
「捕まる」の意味と「掴まる」の1つめから3つめまでの意味が同じです。
どちらも同じことを指しています。
どちらの言葉も「つかまる」と、同じ読み方をします。
「捕」は常用漢字で、「掴」は常用漢字表にない漢字です。
「捕」には、とる、とらえる、つかまえるという意味があり、動くものをしっかりつかまえる意味があります。
一方、「掴」には、つかむ、にぎるという意味があり、動いているものをしっかりつかまえる意味の他に、動いていないものを手の中におさめる意味もあります。
「捕まる」と「掴まる」の使い方の違い
「捕まる」の意味と「掴まる」の1つめから3つめまでの意味は同じですが、これらの意味で使う場合には「捕まる」の漢字を使用することが一般的です。
「掴」は常用漢字ではなく、日常一般には使われません。
しかし、体が倒れたり、よろけたりしないように、何かに取りすがるという意味では、「掴」の漢字を使用します。
この意味では「捕まる」とはしません。
「捕まる」と「掴まる」の英語表記の違い
「捕まる」は英語で“catch”や“arrest”と表現をします。
「掴まる」は英語で、しっかりと持つという意味で“catch”や“grasp”や“grip”と表現をします。
「捕まる」の意味
「捕まる」には3つの意味があります。
1つめは、逃げたり、暴れたりするものが押さえられて、逃げられなくなることです。
カーチェイスのことで考えてみます。
カーチェイスとは、自動車と自動車の激しい追跡のことで、追われている方と追う方がいます。
追われている方は、必死になって逃げます。
そして、追う方は逃がすまいと必死になって後に続きます。
このような状態は、いつまでも続くものではありません。
いずれ追われている方が、他の車や壁などに衝突したり、追いかけている方に射撃などによってタイヤをパンクさせられたりして、車が動かなくなります。
そうなると、追われていた方は追いかけていた方に押さえられてしまいます。
そして、とうとう逃げられなくなるのです。
この、押さえられて逃げられなくなることを意味しています。
追われていた側から見た言い方です。
2つめは、目的のものを見つけ出したり、呼びとめたりすることができるです。
タクシーに乗りたいと考えていたとします。
そのとき、道路の方に移動をして、タクシーが通過するのを待つことでしょう。
タクシーが目に入ったら手をあげて、止まってくれるように合図をします。
空車なら車が止まってくれます。
この場合は、タクシーが目的のものになります。
それを自分で見つけられて、止められることを、この言葉は意味しています。
3つめは、他の人に名前を呼ばれたりして、仕方がなくその場にとどまることです。
急いでどこかに向かおうとしているとき、本当は止まっていたくなどないのに、声をかけられて断れないと、その場から動けなくなります。
気持ちよく声に応えて止まることではなくはなく、無理やり止められることを意味しています。
「捕まる」の使い方
複数の意味がありますが、1つめの意味で使うことが多くあります。
「捕まる」を使った例文
・『いつか捕まるかもしれない』
・『警備員に捕まる』
・『あいつが捕まるまでは安心できない』
・『早く捕まるといい』
「捕まる」の類語
「捕らわれる」が類語です。
逃げないように押さえられるという意味です。
やや硬い表現になります。
「捕まる」の対義語
「逃げる」が対義語です。
「掴まる」の意味
「掴まる」には4つの意味があります。
1つめは、逃げたり、暴れたりするものが、動けないように押さえられることです。
悪いことをした人は、警察官から必死に逃げようとします。
しかし、いつか逃げられなくなるときがきます。
逃げられないように押さえられてしまうことを「掴まる」といいます。
2つめは、目的のものを見つけたり、呼びとめたりすることができるです。
仕事の担当者で、なかなか見つからない人がいたとします。
この人をやっと見つけることができたとき、「担当者が掴まる」といいます。
3つめは、他の人に名前を呼ばれたりして、仕方がなくその場にとどまることです。
ニュースを見ていると、芸能人や政治家などが、記者に声をかけられて、仕方なく記者に応じている姿を見ることがあります。
このようなさまを指しています。
4つめは、体が倒れたり、ふらついたりしないようにするために、何かにすがりつくことです。
電車が大きく揺れると転びそうになります。
そのとき、転ばないように手すりやつり革を握りしめるはずです。
このような動作を意味しています。
「掴まる」の使い方
「掴」の漢字は、4つめの意味で使用されることが多くあります。
「掴まる」を使った例文
・『チェーンに掴まる』
・『トイレの手すりに掴まる』
・『掴まるのに便利な形状』
・『変なふうに掴まると怪我をする恐れがある』
「掴まる」の類語
「捉まる」が類語です。
意味は同じです。
「掴まる」の対義語
ありません。
まとめ
同じ読みをする言葉で、意味が共通する部分があります。
物を握る意味では「掴まる」を使用し、それ以外の意味では「捕まる」を使用します。