「秘密」と「秘匿」の違いとは?使い方や例文も徹底的に解釈

「秘密」と「秘匿」の違い生活・教育

この記事では、「秘密」「秘匿」の違いや使い方を分かりやすく説明していきます。

「秘密」と「秘匿」の違い

「秘密」の主な意味は3つあります。

1つめは、他の人に気づかれたり、感じ取られたり、認めれたりしないようにすること、また教えないでおくことです。

2つめは、世間の多くの人には知られていないことです。

3つめは、人に知らせない、とっておきの策です。

「秘匿」には、他の人に気づかれたり、感じ取られたり、認められたりしないようにすること、また教えないことです。

「秘密」の1つめの意味と「秘匿」の意味が、ほぼ同じです。

この意味では、2つの言葉に大きな違いはありません。

どちらの言葉にも、「秘」の漢字が使用されています。

この漢字には、ひめる、かくす、人に見せないという意味があります。

「密」は、ひそかという意味を持つ漢字、「匿」は、かくす、かくれるという意味を持つ漢字です。

このことからも、2つの言葉は隠すこと、人に見せないことという意味を持っていることがわかります。

ストーカーやパワハラなどの被害者は、自分の名前がニュースなどで公表されることを嫌がる傾向があります。

そのため、警察など関係者は報道陣に被害者の実名を明かしません。

この行動は、警察官が報道陣に、被害者の実名を知られないようにしているということができます。

このようなさまを2つの言葉は意味しています。

この意味では、2つの言葉が指していることは同じですが、「秘密」には他にも意味があり、それらの意味が「秘匿」にはない点が、2つの言葉の違いです。


「秘密」と「秘匿」の使い方の違い

他の人に気づかれたり、感じられたりしないようにすることの意味では、どちらも同じような使い方ができます。

一般的に使われるのは前者の言葉です。

後者の言葉は日常的には、あまり使われません。


「秘密」と「秘匿」の英語表記の違い

「秘密」は英語で“secret”“confidence”と表現をします。

「秘匿」は英語で“concealment”と表現をします。

「秘密」の意味

「秘密」の主な意味は3つあります。

1つめは、他の人に気づかれたり、感じ取られたり、認められたりしないようにすること、また教えないことです。

小学生のころ、「好きな人を教えて」と友達から言われたことがありませんか。

自分の好きな人を他人に知られるのは恥ずかしいものがあり、聞かれても教えたくはありません。

好きな人が誰かということを、自分の心の中にだけしまっておくのです。

この他人に教えないことを、この言葉は指しています。

友達にしつこく聞かれて、教えてしまうこともあるでしょう。

その場合、「他の人には絶対いっちゃだめだよ」と友達に強く注意を促すはずです。

そう注意を促して、他の人に友達が教えてしまうことがないようにするのです。

この場合は2人だけの「秘密」になります。

2つめの意味は、広く知れ渡っていないことです。

古代の歴史は謎が多く、まだまだわかっていないことが多くあります。

わからないことだらけで、一般の人たちはその知識を持っていないことが少なくありません。

また、研究によって明らかになったことが、一般に公開されることは少ないです。

このような状態を、広く知れ渡っていないことといいます。

3つめは、人に知らせない、とっておきの策です。

ある人が株で成功をしました。

成功したのには、何かとっておきの策があるはずです。

多くの人たちは、その人がどうやって成功したのかを知りたいのですが、教えてくれません。

この教えてくれない、とっておきの策のことを意味しています。

「秘密」の使い方

複数の意味がありますが、人に知られないようにする、という意味が共通しています。

簡単に教えてしまうこととは対照的なさまについて使用をします。

「秘密」を使った例文

・『秘密の部屋の鍵』
・『売り上げが伸び続けている秘密を探る』
・『アニメの最終回の内容は秘密です』
・『隠し味にスパイスを使っていることが人気の秘密です』

「秘密」の類語

「機密」が類語です。

他に教えないという意味があります。

日常では使われることが少ない言葉で、政治や軍事など国にとって重要な事柄に使用されます。

「秘密」の対義語

「公開」が対義語です。

多くの人に知らせるという意味があります。

「秘匿」の意味

「公開」が対義語です。

多くの人に知らせるという意味があります。

企業が新しい製品を開発したときのことで考えてみます。

画期的な製品、他社がやったことがないような製品を作り出したとき、他社にマネをされないように特許を申請することがあります。

特許を申請して審査に通れば、もしも技術が社外に漏れてしまっても、マネをされることがありません。

マネされないようにする方法は他にもあります。

ノウハウを教えないなければよいのです。

ノウハウは特許出願をしても認められない可能性があります。

そのため、法律に守ってもらうことはできません。

それなら、他社にマネをされないように、知られたくないことを自分たちで守っていけばいいのです。

この知られないようにすることを「秘匿」といいます。

「秘匿」の使い方

他の人に教えないことや、知られたり、気づかれたりしないようにすることという意味で使用します。

硬い表現をしたいときに、公の文章で使われることがあります。

日常的には、あまり使わない言葉です。

「秘匿」を使った例文

・『徹底的に秘匿にして、他社が追い付けないようにする』
・『宇宙人が秘匿している宇宙船の技術』
・『身元を秘匿にしたい、という思いがあるのでしょう』
・『被害者の人名は秘匿です』

「秘匿」の類語

「隠匿」「隠蔽」が類語です。

「隠匿」には、法律上許されないような事柄を隠すことという意味があります。

「隠蔽」は、何かを被せて外から見えないようにして隠すことです。

「秘匿」の対義語

「公開」が対義語です。

まとめ

「秘密」には複数の意味がありますが、その中の1つが「秘匿」の意味とほぼ同じです。

意味はほぼ同じでも使われる頻度が違い、よく使われるのは「秘密」の方です。