この記事では、「場面」と「状況」の違いを分かりやすく説明していきます。
「場面」と「状況」の違い
「場面」と「状況」の違いについて紹介します。
「場面」と「状況」の使い方の違い
「場面」は「あるものごとが行われているその場の様子」に使われます。
一つの時点でものごとを区切っている時の表現です。
「状況」は「あるものごとが進んで移り変わって行く様子」に使われます。
時間が進んでいる時の表現です。
「場面」と「状況」の英語表記の違い
「場面」の英語表現は「scene」で、「シーン」と日本語にもなっています。
“Here is my favorite street scenes.”
(ここは私のお気に入りの街並み風景です)
「状況」の英語表現は以下の2つがあります。
1つ目は「situation」で、「シチュエーション(状況)」と日本語にもなっています。
“Please explain the current situation.”
(どうか現在の状況を説明して下さい)
2つ目は「status」で、こちらは日本語の「ステイタス(社会的地位)」だけではなく、「事情・事態」という意味でも使われます。
ちなみに、日本語で「ビジネスシーン」は和製英語で、海外では通じません。
英語で「ビジネスシーン」は「a business status」と言うことが多くなります。
“He didn’t know the current status of the project.”
「彼は事業の現在の状況を知らなかった」
「場面」の意味
「場面」は「ばめん」と読み、以下の4つの意味があります。
1つ目は「ものごとが行われていくその場の様子のこと」という意味です。
あるものごとが時間的には進んでいくのですが、丁度その時点で目の前で見えているもの、聞こえているもの、感じているものなどを切り取って表現することを言います。
2つ目は「映画・演劇などの一つの情景のこと」という意味です。
こちらは映画や演劇で、ある一つのものごとが行われている光景のみを表します。
3つ目は「市場の動きの状態」という意味です。
4つ目は「若者言葉でその時の状況次第のこと」という意味です。
こちらはスラングとして使われる言葉です。
上記に共通するのは「その場の様子」という点です。
「場面」の使い方
「場面」は、名詞として「ある1つの光景を表す言葉」として使われます。
1つの目の前に広がる光景として切り取って考える時の表現です。
「その場面」「あの場面」「どの場面」などは、全てある1つの光景を表しているのです。
また、若者言葉として「場面で」と使われる場合は「その場で」「その場のノリ」で「その場の状況次第で」という意味で使われます。
若者特有の計画性がなく行動する時に「場面で決めよう」などと言うのです。
「場面」を使った例文
・『通勤途中に事故の場面に出くわした』
・『困った場面でいつも先輩が助けてくれる』
・『今までで一番幸せだった場面を思い浮かべてみよう』
・『うまくいかなかった場面を想定して策を練っておくべきだ』
・『あの映画は急に場面が変わるから分かりにくかった』
「場面」の類語
「一こま(ひとこま)」
「映画や演劇などの一場面」「一続きの時間の中の一場面」「映像やマンガなどの一区切り」「時間割の一単位」のことです。
「場面」の対義語
「場面」に対義語はありません。
「状況」の意味
「状況」は「じょうきょう」と読みます。
意味は「ものごとが移り変わる、その時々の様子」という意味です。
時間の流れにより過去から繋がっているものごとの、ある時点の様子を表します。
ある人を取り巻いている環境や、ものごとが進行していく様子などを表現することを言います。
「状況」の使い方
「状況」は、名詞として「時間の経過により変化していくものごとの様子」に対して使われます。
「良い」「悪い」「厳しい」「楽な」「嫌な」など、評価や感想を表す言葉と一緒に使われることもあります。
どの様な「状況」であるのかは、前後の文章で表現する必要があります。
ビジネスだけではなく、日常会話で幅広く使われる言葉ですが、人に正しく内容を伝えるのが難しい言葉でもあります。
「状況」を使った例文
・『困難な状況を何とかして切り抜けた』
・『どんな状況にも対応できる能力を身に付けるべきだ』
・『酷い状況でとても言葉で説明できない』
・『厳しい状況だが負ける訳にはいかない』
・『状況次第では見送る可能性もある』
「状況」の類語
・「形勢(けいせい)」
変化するものごとの、その時の状態や勢力の関係のことです。
・「模様(もよう)」
「ものの表面に見える図形」「ものごとの経過やありさま」のことです。
「状況」の対義語
「状況」に対義語はありません。
まとめ
今回は「場面」と「状況」について紹介しました。
「場面」は「ものごとの1つの光景」、「状況」は「変化するものごとの様子」と覚えておきましょう。